子育て110番201111

「やさしさ」+「知恵」で、 素敵な先輩ママに。―――子育て110番―――

「年上のママからのアドバイスは、ありがたいけど、なんか痛い」
これ、若いママの本音です。ではどうすればアドバイス上手な素敵な先輩ママになれるでしょうか?

失敗談を話しましょう

ママA「日曜に娘が39度の熱を出して、大学病院の救急センターに行ったら、若い男の先生に『この程度で来ないでください』って怒られちゃった」
奥田「たいへんだったね。私なんかひとりめのとき、夜泣きで夜間診療に連れて行っちゃって『お母さん、落ち着いてください』ってなだめられたもの」
ママA「え、奥田先生でも?」
奥田「もちろん! 最初からベテランのママなんていないって。いま持っている子育ての知恵の裏には、それはそれは数々の失敗があったわけ。でも、あれこれ“やらかした”おかげで、いま若いママたちの不安や悩みがわかるし、解決方法も伝えられる。実はね、その夜間診療の先生に、夜泣き解消の『おなかマッサージ』を教わったのよ」
そんな失敗談を話すと、若いママたちは一様にホッとします。「子育てで悩んでいるのは私だけじゃない、先輩ママもそうだったんだ」。そう思えるだけで、若いママは肩から力が抜け、笑顔が戻ってきます。すると、不思議ふしぎ、そばにいる子どもも、くつろいだ様子で幸せそうに遊び始めます。

一年生ママは傷つきやすいもの

ベテランママたちも、ちょっと昔を思い出してみてください。子育て一年生のママは、毎日がハラハラドキドキ。初めて授かった生命がとてもあやうく思え、あせもに大騒ぎし、ウンチの色の変化に一喜一憂し、緊張と寝不足が続いて、心はいつもいっぱいいっぱい。
そんなときは、周りの人たちの何気ない視線や言葉にも傷つきやすいもの。電車の中で子どもが泣き始めると、周りから見られるだけでつらい。「あら、まだ指しゃぶりしてるの? 何かストレスがあるんじゃない?」そんな先輩ママの親切心からのひとことが、自分の未熟さを指摘されたようで胸に突き刺さる。一年生ママは、とってもナイーヴで傷つきやすいのです。

「私もそうだったよ」「大丈夫、大丈夫」

私が子どものころには「子どもは泣くのが商売。こんなもんだよ」という大らかな空気が世間全体にありました。いまは世間の目が窮屈で、子育てがしにくい時代です。だからこそ、先輩ママの「私もそうだったのよ」「大丈夫、大丈夫」という、共感のこもった大らかなやさしさが、一年生ママの心の救いになります。
未熟さを決して責めず、まずは共感し、そのうえで、「ウンチの色は赤ちゃんそれぞれよ」「子どもは熱を出すたびに免疫ができて強くなるの」などなど、知恵を伝えていきましょう。
私たち先輩ママは、ほんのちょっとだけ先に子どもを生んで、ほんのちょっとだけ先にがんばって、知恵を身につけた、それだけです。同じ失敗をしたからこそ、同じ痛みを知っているからこそ、本当にやさしくなれるのです。

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記事DATA

奥田敬子 Keiko Okuda

早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。