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BUDDHA’S TEACHING「一輪の花を咲かせる」『信仰のすすめ』第1章「泥中の花」より

人の努力では、どうにもならないものとして、たとえば大震災があります。
震災で、何千人、何万人もの人々が亡くなることがあります。そのときに、地震は、「この人は、よい人だから、ここは避けて、あちらを襲おう」というような器用なことはできません。残念ですが、そうはいかないのです。地震によって起きる大火も、「この家だけを避けて通ろう」というわけにはいかないものです。
そういう大震災が起きるときには、残念ながら、善なる人も悪なる人も、程度に違いはあっても、一定の確率で不幸に遭うことは避けられないのです。

九九五年の阪神大震災のときに、幸福の科学の信者たちは、被災者の救援活動で大変な努力をし、それなりに成果もあがって、喜んでいました。
しかし、私は、当時、ニュース番組のなかで一瞬だけ観た光景が、いまだに忘れられません。
そのニュース番組には、神戸の街の悲惨な姿が映っていて、瓦礫と化した家の下敷きになっている家族のことを心配し、家の周りで泣いている、たくさんの人たちの姿も映っていました。その映像のなかで、一瞬、二十代ぐらいの女性の胸元で正心宝(幸福の科学の宝具の一つで、首にかけて身につけるもの)がキラッと光ったのが見えたのです。
その女性は、おそらく、その潰れてしまった家の娘さんなのでしょう。そして、家の下敷きになったご家族を捜していたのでしょう。
それを見て、私は、「ああ、当会の信者の家族のなかにも、亡くなった方がいたのだな。かわいそうだな」と思って、深く感じるものがありました。あれから何年もたちますが、そのことをまだ覚えています。
その地域は全滅に近い状況だったので、その家だけを救うことはできなかったのでしょう。もちろん、亡くなったあとは、天上界の幸福の科学の霊団が必ず救っているとは思います。ただ、この世的な不幸というものは、必ずしも避けられないことがあるのです。

だ、「いつの時代にも、そういう不幸はあったのだ」ということを忘れてはいけないし、「この世というのは、それ自体で永遠に続くような、美しい世界ではないのだ」ということも知らなければいけません。「たとえ幸福な事態があっても、それは壊れやすいものなのだ」ということも知らなければいけないのです。
霊的な目、ほんとうの意味での天人・天女の目、菩薩や天使の目から見れば、しょせん、この世の世界は、泥の池のような世界ではあるのです。
大切なのは、「そのなかで、あなたは、いかにして一輪の花を咲かせるか。いかにして、蓮の花のような清らかな花を咲かせるか」ということです。
どのようなところにあっても、花を咲かせることは可能なはずです。

の花の大きさは、さまざまでしょうが、小さい花でもかまわないのです。
どうか、「泥沼のなかから蓮華の花は咲くのだ」ということを理解していただきたいのです。
もし私の言っていることが分からなければ、蓮の花の咲いている池を、一度、ご覧になるとよいでしょう。汚い泥のなかから、この世のものとは思えないような花が、スーッと伸びて咲いています。
仏陀が目指した悟りの道も、そういうものであったのです。
「この世のなかは、すべてを浄化して、きれいにすることはできない。しかし、そのなかにおいても、泥のなかから蓮の花が咲くように、あなたがたも一輪の花を咲かせなさい。それが、あなたがたの環境のなかにおける悟りなのだ。
その環境自体を変えることはできない。あなたがたが味わった、過去の不幸それ自体を、全部、帳消しにすることはできない。
しかし、不幸な環境に生まれたとしても、同じような環境のなかにある人が、全員、不幸のどん底まで行かなければならないというわけではないであろう。
その環境のなかで、あなたがたは、心を磨き、自分の道を求めて、一輪の花を咲かせることはできるのではないか。それは、どの人にも可能なはずである」
仏陀は、そういうことを説いていたわけです。

なわち、「周りの環境、あるいは、自分自身のいままでの生き方や、いまの心を見れば、それは泥沼かもしれない。しかし、あなたがたは、そこから、ささやかでもよいから、悟りの花を開かせなさい」ということです。
どうか、この世的な結果主義者に終わらないように、「この世的なことがよければ、すべてよい」という考えにならないようにしてください。
「どのような環境下においても、自分なりの一輪の花を咲かせる」ということが、「人生は一冊の問題集である」という言葉に対する答えでもあるのです。それを望んでいただきたいと思います。

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大川隆法 Ryuho Okawa

幸福の科学グループ創始者兼総裁

1956(昭和31)年7月7日、徳島県に生まれる。東京大学法学部卒業後、大手総合商社に入社し、ニューヨーク本社に勤務するかたわら、ニューヨーク市立大学大学院で国際金融論を学ぶ。81年、大悟し、人類救済の大いなる使命を持つ「エル・カンターレ」であることを自覚する。86年、「幸福の科学」を設立。2016年には立宗30周年を迎え、信者は世界100カ国以上に広がっており、全国・全世界に精舎・支部精舎等を700カ所以上、布教所を約1万カ所展開している。説法回数は2,500回を超え(うち英語説法100回以上)、また著作は28言語以上に翻訳され、発刊点数は全世界で2,200書を超える。『太陽の法』(幸福の科学出版刊)をはじめとする著作の多くはベストセラー、ミリオンセラーとなっている。また、映画「さらば青春、されど青春。」(2018年初夏公開)など、12作の劇場用映画を製作総指揮している。ハッピー・サイエンス・ユニバーシティと学校法人 幸福の科学学園(中学校・高等学校)の創立者、幸福実現党創立者兼総裁、HS政経塾創立者兼名誉塾長、幸福の科学出版(株)創立者、ニュースター・プロダクション(株)の会長でもある。

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