web-201808-エリコロウさん

ジャーナリスト エリコ・ロウさん「人生の〝卒業〟を祝福してあげることこそ、いちばんの供養です」

アメリカ・シアトルに住み、ジャーナリストとして医療の現場や臨死体験について取材を重ねているエリコ・ロウさんに、世界で報告されている臨死体験についてうかがいました。

臨死体験の共通点

――臨死体験を取材する中で共通点はありましたか。

 「何かを学んで帰ってくる」という共通点はありますね。特に「物質的な豊かさや富ではなく、思いやりや愛こそが本当に大切なものだ」ということに気づく人は多いようです。
 臨死中に、今まで自分がしてきたことを自らの立場からではなく、周りの人の視点から見る人も少なくありません。「自分の行動が周囲にどういう影響を与えたのか」を理解して帰ってくることによって、人生観や死生観は大きく変わるでしょう。それ以外だと、超能力を発現するケースも実は珍しくないようです。

――例えばどんな能力ですか。

 臨死体験から帰ってくると死後の世界との境界が薄れてしまうようで、しばらくの間は瞑想することで向こうの世界と行き来できるようになるという人は多いです。他にも未来を予知する能力や癒やしの能力などがありますね。
 また、存在すら知らなかった兄弟に死後の世界で会ったり、臨死体験中に会った知人が実はその間に急死していたなど、臨死状態になる前には持っていなかった情報を手に入れて帰ってくるケースも報告されています。

認められつつある臨死体験の研究

――ご著書の中では、救急救命医療の発達によって、近年、臨死体験の報告が増えたと書かれていました。アメリカを中心とした、日本以外の国では、すでに臨死体験の研究は科学や医学の一環としてとらえられているのでしょうか。

 そうですね。ノーベル賞候補になるような物理学者や著名な脳科学者、医師などが論文を発表し、学会で講演する機会も増えています。「現実としてこうした現象は存在する」ということは認められてきています。
 もちろん「脳のつくり出した幻想だ」と主張する人もいますが、あまりにもさまざまな例が報告されているので、否定できない状況になりつつありますね。

――日本とはかなり状況が違うようですね。

 かつて研究のために日本に滞在したことのあるオランダの有名な医師も「日本の医師は臨死体験に関しては概して懐疑的なようだ」といったようなことを発言していましたし、医学や科学としての研究は日本ではまだ難しいのかもしれませんね。

アユハ2018年8月号表紙 (590x800)
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エリコ・ロウ Eriko Rowe

ジャーナリスト

ジャーナリスト、バイオ・エネルギー・トレーナー、元ワシントン大学非常勤講師。NHKや著作での取材を通じ、最先端医療から先住民族の癒やし、チベット仏教医学まで、古今東西の医療を長年にわたり検証。『死んだ後には続きがあるのか―臨死体験と意識の科学の最前線』(扶桑社)、『キラキラ輝く人になる』(ナチュラルスピリット)など著書多数。