癒しのケーススタディ

あなたのヒーリングパワーを引き出す 癒しのケーススタディー ①

ヒーリングパワーをもっと知れば、自分も人も癒すことができるはず。数々の癒しの場面に接してきた心理カウンセラーの水村さんに、癒しの体験談を聞きました。

Case1 ビジネス編

成功体験を思い出して心に光を取り戻す

外資系金融会社に勤める恵子さん(30代)は、ある朝突然呼び出され、「今日で契約を解除します」と言い渡されました。理由もわからず、思い当たることもないままクビになったのです。学生時代から挫折を知らなかった恵子さんは、「私の存在ってこんなものだったの?」と、坂道を転げ落ちるように自信をなくし、うつ状態に……。
どんより黒いモヤがかかった感じの恵子さんには、最初は悔しさや苦しみを話してもらいました。さらに、過去の成功体験を聞くことにしました。2回目、3回目と続けるうちに明るくなっていき、数カ月後、恵子さんは改めて自分の強みを発見し、自信とチャレンジ精神を取り戻しました。するとほどなくして転職の話がきて、現在は別の金融会社で活躍中です。
[解説]過去の成功体験を話すことで、そのときの感情を思い出し、苦しみの感情を一時的に忘れる効果があります。悪いことばかり考えてしまっていた恵子さんは、心を明るい感情で満たすことが、癒しにつながりました。

Case2 ビジネス編

なんとなく心が晴れない人は意外に根が深いことも

美紀さん(40代)は、大手メーカーに勤めるごく普通のOL。仕事も人付き合いも、何の問題もなさそうな人でした。ところが話を聞くと、「自分なんかダメなんだ」「誰もわかってくれない」という内容ばかり。心の中は真っ暗でした。
長い年月をかけてできた心の中の悲しみのクラスター(塊)を溶かすには、相応の時間がかかります。方法はといえば、本人が「自分のことを本当にわかってもらえた」と思えるまで、とにかく話を聞くこと。月に1~2回話を聞き、1年ほど経ったころ、美紀さんは愚痴が少なくなり、見た目もオシャレに変わってきました。
[解説]愚痴に同意を求められても、否定はせず、ただし肯定もしません。目的は、「本人がわかってもらえたと思うこと」だからです。

Case3 家庭問題編

自分を客観的に見ることで不幸の原因がわかる

直美さん(40代)は、小さいころから父親に、「だからお前はダメなんだ」と言われ続け、物心ついたころには自分不信、人間不信になっていました。その影響か、自分を否定するような男性と結婚してしまい、お互いの浮気が原因で離婚。私が直美さんの話を聞いたのはそのころでした。彼女の心の中は怒りと悲しみでいっぱいで、しかも、自分が幸せな結婚をしないことで、「あんたのせいで幸せになれない!」と、父親を攻撃していることもわかってきました。
直美さんに言ったのは、「子供のときはお父さんにいじめられ、大人になったら自分が不幸になることでお父さんに復讐している。ということは、一生幸せになれませんね。お父さんにそこまでの義理があるんですか?」ということ。彼女はハッとして、父親との屈折したしがらみを捨てる決意をしました。あれから1年、直美さんはまもなく再婚するそうです。
[解説]恋愛や結婚で傷つく方は、親子関係で葛藤がある場合が多いです。このケースでは、かなり厳しいアドバイスをしましたが、逃げずにきちんと向き合い、復讐心を捨てることができた彼女は立派だったと思います。

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記事DATA

水村和司 Kazushi Mizumura

株式会社ミッションコーチング代表取締役

株式会社ミッションコーチング代表取締役。心理カウンセラー、プロコーチとして人生のミッションの発見や、やる気や能力を高めるコーチングを提供している。著書に『1秒でも早く! 「ダメージ」から抜け出す方法』(すばる舎リンケージ)がある。