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教育現場最前線 修学旅行で子どもたちが「洗脳」される!?(2013年12月号)

 

ガイドによる、史実を無視した説明が生徒を“洗脳”

公立高校の教諭、教頭を歴任し、この春から校長として勤務する森 虎雄氏。生徒を引率した昨年の沖縄での修学旅行についてこう話す。

「バスガイドさんが話すのは、沖縄戦と米軍基地問題のことばかり。“民家がそばにあるのに普天間基地はなくならず、沖縄県民が犠牲になっています”といった“反日反米”の内容で、生徒たちに沖縄だけが被害者という意識を刷り込んでいきました」

実際は普天間基地周辺の民家は基地ができてから基地関連の職を求める人によって建てられ、何かと話題にのぼる基地のそばの小学校も、基地ができてから建設されたものだ。

「“ガマ”の見学では、60代くらいの地元の女性案内人が入り口で、ガマの説明もそこそこに“日本軍は沖縄の住民が邪魔になり、民家に手榴弾を投げて殺した”などと言い出しました。さらに“日本軍は中国で中国人を殺しまくり、女性を手当たり次第レイプした”など、沖縄戦に関係のない、史実を無視した内容をまくしたてたのです。ガマの中では“この中で日本兵が死ぬ間際に『お母さん!』と声を上げた。人間、最後はお母さんなんだよ”などと怪談のような話し方で脅し、恐怖から数人の女子生徒が泣き出すほどでした」

禍々しい雰囲気を敏感に感じ取り、ガマに入ることができない生徒たちもいたという。

201310月号反日修学旅行

 

修学旅行という教育の場で政治的に偏る思想を植えつける

案内人の女性は、「日本は憲法9条があるから守られてきたんだよ」とも発言。森氏は、教育活動の一環である修学旅行で政治的に偏った話をしたことに憤りを覚えたという。

「その後訪れた『沖縄県平和祈念資料館』には全国から修学旅行生が訪れていましたが、展示物や解説パネルは過剰に沖縄戦の悲惨さを訴えるばかりか、日本軍や本土人が沖縄県民を差別し、犠牲にしたという論調と、アメリカと米軍への反感に満ちたものでした。さらに資料館のところどころに沖縄の教職員組合に所属していた元先生がおり、修学旅行生に史実に反した説明を吹き込むのです。学校によってはワークシートや感想レポートを義務付けていることもあり、子どもたちは一生懸命展示を見、説明を聞いていました」

 

地元の人の言うことは素直に受け止められてしまう

ベテラン日本史専攻教師である森氏から見れば、バスガイドやガマの案内人の話は古い学説で、今は否定されているものばかりだった。森氏は修学旅行から戻るとすぐに、史実と異なる説明と政治的発言などに対して、バス会社とガマのガイド団体に実名で抗議文を書いた。

「バス会社からは誠意あるお詫びの回答をいただきましたが、ガマのガイド団体からは返答がありませんでした。その後人づてに、そのガイド団体は抗議内容を理解し、偏向のないようにその女性案内人のガイド内容を録音・確認していると聞きましたが……。バス会社もガイド団体もここだけではありませんから、根本的な解決にはなっていません。地元の人の話は真実味があるため、〝本当だ”と信じてしまうものです」

実際に森氏が同行したクラスは事後アンケートで「地元の人の言うことだから」と、ガマの案内人は「事実を話している」と回答した生徒が約7割もいたという。

 

政府から活用が指示されたDVD上映を巡って左翼教師と激突!

修学旅行の与える影響も大きいが、森氏は、ほとんどの学校で日常的に、ときに無自覚に左翼教育・反日教育が行われていると話す。

「以前勤めていた学校で、政府の拉致問題対策本部が作成した、北朝鮮の拉致問題を伝えるアニメ『めぐみ』を人権教育の一環で上映しようとしたのですが、共産党系全教と、日教組の組合に所属する社会の先生2名が反対してきました。このアニメは政府から活用が指示されて全国の学校に配布されたもので。めぐみさんのご両親の親心や苦しみが主に描かれたものにも関わらず、です」

教諭たちは、「このアニメを見ることで、生徒が朝鮮の人たちに偏見を持ってはいけない。植民地時代の、日本による70万人強制連行も同時に教えなければいけない」と森氏に噛み付き、口論になった。

「強制連行は実際は『国民徴用令』として日本人と同様に軍需工場に配属させられた方々のことで、数百人と記録に残っています。『70万人はありえないし、圧倒的多数は自ら希望して本土にやってきた人たちです』と反論し、どうにか『めぐみ』を上映。視聴後は当時の校長が拉致問題について、生徒たちに丁寧に説明してくださいました。しかし、拉致は生命を脅かす人権侵害であり、犯罪であり、『侵略』です。それを教えることに反対されたり、事実ではない強制連行を同時に勉強すべきと考える先生が多いことを残念に思いました」

修学旅行の事前学習に行った森氏による真・平和教育

森氏はその後、「めぐみ」のDVDを修学旅行前の事前学習でも抜粋を生徒に視聴させた。「ひめゆり学徒隊」生存者の女性を招いての講演会が事前学習の恒例だったが、「沖縄県民に軍命が下って集団自決させられました」「日本兵は沖縄県民を守りませんでした。自衛隊だって戦争になったら皆さんを守らないですよ」などという、事実に反した、日本軍や自衛隊を貶める発言をくり返したため、森氏が次年度の事前学習のあり方に疑問を呈したのだ。

「その女性は国旗・国家を学校の式典で“強制”することに反対する市民団体が主催する集会の講演者のひとりでした。そんな偏った思考の方の話を事前学習にするなんてとんでもないと他の教諭に訴えたところ、私が“真・平和教育”として授業をすることになりました」

本当の平和を考える機会に

「沖縄から平和を考える」と題したその授業は、「平和」な状態とはどのようなものか? という問いかけから始まり、いじめ問題とも結びつけた「なぜ戦争が起きるのか」や明治時代からの日本政府と沖縄の関係、米軍基地問題や中国が主張する尖閣諸島の領土問題、北朝鮮の拉致被害など、スライドや動画なども使ってわかりやすく説明した。講話は1時間半にわたったが、生徒たちは真剣に聞いていたという。

「『平和が大事と言っていれば平和が保てる』わけではないという現実を生徒に教えないといけませんし、沖縄戦での日本兵に対する汚名を晴らしたかった。そして、北朝鮮の拉致や中国の軍事拡張などの危機が迫っていることを知り、本当の平和について考えてほしかったんです。講話ができた環境にも感謝しています。学校によっては、他の先生の反対によって不可能ですから。講話が3月、修学旅行は10月と時間が経ってしまい、沖縄での様子は冒頭の通りですが、少しでも生徒たちを守ることができていればと思います」

保護者の声が教育を変える

修学旅行など教育の場で子どもたちを洗脳から守るために、保護者には何ができるのか。

「高校では先生が手作りのプリントを配布して授業を行うことも多くあります。それはその先生の思想や主張が反映されたものの場合がありますので、プリントやノートに何が書いてあるか、確認してみるといいでしょう。試験問題も要チェックです。おかしい記述を見つけたら、学校の校長や教育委員会に電話をして『内容が偏っていると思うんですが』『公教育の場にふさわしくないのでは』などと伝えると効果的でしょう」

修学旅行の行き先は入学後すぐに決定し、発表される。そのタイミングで一言伝えるのも効果的だ。

「沖縄や広島、長崎の場合、『偏った平和教育や見学先が多いと聞きますので、公平な観点で旅行できるよう気をつけてください』と電話を一本入れるだけでも牽制になります」

正しい知識が保護者にも必要

森氏は今までの経験から、教師の立場では反日教育の体制を変えることは難しいと痛感したという。

「教師を輩出する大学の学問から、変えていかないといけません。私も大学の史学科で歴史を学びましたが、現在の日本の歴史学の根底にある価値観は“共産主義の平等社会を理想とする”ものです。私自身、『近代日本も資本主義だったから戦争が起き、国民が不幸になった』という考え方に染まり、教師になってからもしばらくは組合に所属する〝左翼教師”でした。教師を養成する『場』自体を変えるためにも、まずは保護者の方が声を上げることが一番だと思います。

そして、保護者の皆様も多角的に見た正しい知識を身に付け、お子さんに教えてあげてください。お母さん同士で話し合っても、流れはできます。日本中がその流れになれば、必ず公教育は変わります」

子供たちを左翼教育の洗脳から守る3カ条

1.子供の受ける授業の内容をチェック
教科書だけでなく、ノートや配布されるプリント、宿題、テストの問題などの内容を確認してみましょう。

2.「偏っている」と思ったら学校に電話を
学校に「保護者の声」を届けましょう。実名を言いにくい場合は、匿名でもかまいません。

3.正しい知識を教えてあげる
学校教育の偏りを判断するためには、多角的に見た正しい知識も必要です。ぜひお子さんと一緒に正しい知識を身につけてください。

『反日日本人は修学旅行でつくられる』

『反日日本人は修学旅行でつくられる』

現役の公立高校校長で、かつては自虐史観を教える左翼教員だった筆者が、
転向して左翼偏向教育との戦いの日々を綴ったドキュメンタリー。

記事DATA

森虎雄 

現役公立高校校長

1956年東京生まれ。ベテラン日本史専攻高校教師。上智大学文学部史学科卒業。明星大学大学院人文学部研究科教育学専攻修士課程修了(高橋史朗ゼミ)。公立高校の教諭、教頭、校長等を歴任。