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疳(かん)の虫【 Dr.ジョージのHAPPY診療室】

<疳の虫の主な症状>

・夜泣きが激しい
・かんしゃくを起こす
・奇声を上げる
・暴力をふるう
・噛みつく
・動物をいじめる

かんしゃくを起こす、奇声を上げる、夜泣きがひどい――そんなお子さんの症状に悩んでいる親御さんは多く、当クリニックにもよく親子で診察に訪れます。昔からそういうお子さんを「疳(かん)の虫が強い」と言いますが、これは、強いストレスがかかり、神経が高ぶって過敏になっている状態です。噛みつきや動物を虐待する行動も同様です。 

子供にそういった症状が現れているときは、ほとんどの場合、ご家庭に問題があることが多く、特にお母さんにその原因があることがほとんどです。もしお子さんにそのような症状が現れているときは、お母さん自身がイライラしていないか、心が不安定でないか、子供をストレスのはけ口にして怒ってばかりいないか、振り返ってみましょう。

こういうとき、私はいつもお母さんと子供を一緒に治療していきます。「母子同服」といって、親子で同じ漢方を服用することで、お互いによくなっていきます。
頓服としておすすめなのが、「抑肝散(よくかんさん)」です。神経過敏やイライラによく効きます。胃があまり丈夫でない方には、「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ) 」を。それでも落ち着かない場合は、「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」を処方します。これは甘くてお子さんが好きな漢方なのですが、飲みすぎるとむくむので、必ず頓服として服用してください。暴力をふるったり暴れたりするお子さんには、朝昼晩継続して「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」を服用してもらいます。

覚えておくと安心!心を落ち着けるツボ

疳の虫に効くツボとして「身柱(しんちゅう)」があります。身柱は、背中の大椎骨から骨3つ下の骨下のへこみにあるツボで、ストレスや精神不安、ウツ、パニック障害のほか、花粉症にも効果抜群。トントンと叩いてあげてもいいでしょう。もちろん大人にも有効です。

Column 漢方をゼリーに混ぜると子供も飲みやすくなります

漢方を服用するときは必ずお湯に溶かし、口の中に含んでゆっくり飲みましょう。普通の薬のように水で流し込むと、効果が現れにくくなってしまいます。漢方の味が苦手で飲むのを嫌がるお子さんの場合は、ゼリーなどと混ぜて食べさせてあげてください。ほとんどのお子さんは、これで飲めるようになります。お湯に溶かして、シロップなどで甘くして服用しても大丈夫です。

セルフチェック!おなかのドキドキでストレスが分かる

神経が過敏になっているときは腹直筋( おなかの真ん中にある動脈部分)が張っていて、触るとドキンドキンと波打っています。こういう場合は、抑肝散加陳皮半夏がおすすめです。

おすすめ漢方薬

イライラや神経過敏の頓服に 抑肝散(よくかんさん)

胃が丈夫ではない人の頓服に 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

抑肝散で落ち着かないときの頓服に 甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)

暴れたり暴力があるときに 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

(「Are You Happy?」2023年6月号)

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小林城治 

精神科・心療内科医

医療法人社団ヘルメス会「J戸越銀座クリニック」理事長。

高い実績を認められた復職支援(リワーク)の専門機関、薬だけに頼らない療法で社会復帰をサポート。現代書林『赤ひげ名医シリーズ』に掲載他、日本テレビ『ニュースゼロ』TV東京『ワールドビジネスサテライト』等、テレビ出演も多数。

書籍『2014最新版 現代の赤ひげ 医療最前線の名医12人』に選ばれている。

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