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美しさを育てる時間を持つ

仲間との行動は楽しいけれど

ある時期、渋谷区松濤のフレンチレストラン「シェ松尾」に、女優の森光子さんや浅丘ルリ子さん、テレビプロデューサーの石井ふく子さんら、その他にも親しい女優さんたちが、事あるごとに集っていました。その中に、女優の大原麗子さんもいらっしゃいました。
「森さんがいれば着物の話題で盛り上がり、ルリ子さんはメークやファッションの最新情報を披露してくれ、楽しくにぎやかな会なのよ」
麗子さんは話してくれました。
「でもね、麗子、いつも女性だけで集まっていると、私自身、こういう集まりが良いのか悪いのか、分からなくなっちゃうの」
「楽しい時間なのでは?」
「そう、女を意識しないで良いから楽なのよ。ただ、居心地の良い中にばかりいるのって、実は危険よね。力が抜け過ぎた女から魅力は生まれないでしょ」

自分に焦りを感じたら

麗子さんは、今までの気軽な食事の集まりや、皆でする買い物を振り返ってみると、「楽しい時間だったが、自分の魅力は生まれていない」と感じていました。
「程よく気を遣って緊張した時間を持つことも大事だなと思って。考えたの。たまには一人になるのがいいんじゃないかしら」
単独の行動には、しっかりとした気持ちが必要です。どのような小さなことでも情報を取り、自ら調べ、知らなければ動くことができません。洋服を購入するときも人を頼りにせず、一人で決めてみます。目的やどのようなものを買うかは決まりやすくても、どのように着て見せたいかまでとなると、自分だけで考えるのは大変ですが、まとまりやすくもなります。たとえ失敗しても、自ら選んだことなので、理由を探りやすくなるのです。
新しい世界に向かうとき、自分はどんな人間で、何をすれば目的を達成できるのかあれこれ考えます。一人だけで考える時間は、自分と向き合う大切な時間です。
緊張する場所に、あえて一人で訪れてみてください。高級ブティックやホテルのレストランへ行くと、入店した途端に周囲の目が集まります。その視線を受けてこそ、あなたの魅力に火が付くのです。

慣れない場所に出かけてみる

あるとき、八芳園のロビーを訪れました。天井が高く、光が差し込む大きな窓から日本庭園が望め、外人客に人気がある場所です。彼らの立ち振る舞い、紅茶の飲み方やクッキーの食べ方一つ一つが観察でき、また同様に自分も見られていて、自分磨きにはもってこいの場所です。
そのロビーのテーブルに一人、お茶を飲む女性がいました。オフホワイトのカシミアセーターに、長い髪を束ねて後ろに流しています。午後のひとときをゆったりと過ごしている雰囲気としっくりと合って魅力的です。
よく見ると、大原麗子さんでした。私たちは声を掛けず、そっと離れた席に座りました。その時間を壊してはいけない気がしたのです。後日、見かけたことを彼女に話しました。
「あら、大河ドラマに出る準備で、自分磨きをしていたのよ」
以前、話していた〝体に緊張感を持たせるための一人の時間〞を過ごしていたのでした。長丁場のドラマで初めての共演者も多い中、少しでも魅力的になろうという彼女なりの、相手に対しての礼儀なのでしょう。
そのとき以来、彼女は大切な仕事の前に、一人の時間を過ごすのが習慣になったそうです。
少し背伸びした場を、一人で訪ねてみるのも良いでしょう。外国からのお客様に混じって、ホテルでお茶をするのもおすすめです。一人の時間は、あなたに少しの緊張感と魅力をもたらしてくれます。一人の時間を大切に。

ひとりの時間で リフレッシュ© K’s color atelier

今月のレッスン

一人で初めての場所を訪ねてみましょう。

(「Are You Happy?」2023年8月号)

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