嫉妬する法則Q&A

嫉妬する法則

ふとした拍子に湧き起こる、心の奥のザワザワした感情、嫉妬。なぜそんな気持ちが起きるのか、起きてしまったらどう対処すればいいのかを、多くの人の悩みを聞いてきた産業カウンセラーの川村佳子さんに伺いました。

 

どうして人は嫉妬するの?

始まりは「親の愛を独占したい」気持ち

心理学では、嫉妬心は自我が芽生える1歳半ごろに生まれると考えられています。嫉妬の行為の始まりとしてよくあるのは、親の愛を独占するため、弟妹に意地悪をして親の気を引こうとするなどの赤ちゃん返りです。成長するにつれてその対象も変化しながら、生きている限り嫉妬心とのつきあいは続きます。

 

嫉妬は誰もが持つ基本的な感情

嫉妬は喜怒哀楽に次ぐ、第五の感情と言えるのではないでしょうか。カウンセリング中、悩みの原因は「嫉妬」にあると感じるケースが多々あります。「まったく嫉妬しない」方は自覚がないか、もしかしたら「向上しよう」という気持ちが薄れてしまっているということかもしれません。

 

人より優れていたいという本能的な欲求

人間には、「人より優れていたい、認められたい」という「優越の欲求」があります。嫉妬心が起きがちなのは、それまで自分のほうが優れていると思っていた部分で、他の人に追い抜かれそうになったり、あるいは、もともと劣等感を持っている部分を刺激されたりするとき。嫉妬をすると、相手を何とかして自分と同じレベルまで引きずり下ろそうとするのです。「自分とレベルが近いと感じる相手には嫉妬しても、手が届かないほどレベルの高い相手には、憧れこそすれ嫉妬は感じない」という法則があります。例えば、女優志望の人は先に女優になれた人に嫉妬しても、大女優には嫉妬しないのです。

 

嫉妬するとどうなる?

攻撃したり、束縛したりする

嫉妬は、相手を貶める悪口や、足を引っ張るといった行動に現れます。極端な例だと、職場で成績のよい人にだけ重要な情報を教えず、その人が「聞いていません」と言うと「自分から聞かないあなたが悪い」として、評価を下げようとしたケースもあります。恋愛関係における嫉妬は、相手に支配的になったり、独占欲が強くなるところに出ます。彼の携帯電話を覗き見て、電話帳の女性全員に連絡し、「彼と接触しないで」とお願いした女性もいました。仕事などでの悔しさや恋愛におけるやきもちが憎しみや過度の束縛までいってしまうときは、「嫉妬心」と言えます。

 

嫉妬心を隠そうとする

「うれしい」「悲しい」といった喜怒哀楽に比べて、「嫉妬している」とは人に言いにくいもの。それは、嫉妬の対象より「自分のほうが劣ると思っている」と認めることを意味するからです。嫉妬心を自分自身で認めることすら、時間を要する人もいるでしょう。
ただ、嫉妬をするのは、「あのようになりたい」という向上心の裏返しでもあります。嫉妬心を自覚できたら、その気持ちの奥を丁寧に探って何に嫉妬しているのかを見つけ、そこを目指すための努力をしていきましょう。また、「人より優れていなくても、自分には愛される価値がある」と思うなど自分への愛を深めていくと、嫉妬心は小さくなっていきます。

 

暴走する嫉妬心で失敗してしまうことも

嫉妬に突き動かされて行動し、悪い結果を引き起こしてしまうことがあります。例えば、相手の評判を下げる画策がばれて自分の立場が危うくなるケースなどもありました。成功し続ける人は、嫉妬のエネルギーを相手への攻撃ではなく、成長するための努力に使っています。

 
(「Are You Happy?」2018年4月号)

川村佳子さん

川村佳子さん 

産業カウンセラー。日本認知療法学会所属。官公庁や国立機関、企業のメンタルヘルス相談支援業務を担当。7年間で3千人以上をカウンセリングする。北海道と東京にカウンセリングオフィスを持つ。

タイトル

『嫉妬のお作法』

『嫉妬のお作法』

川村佳子著/フォレスト出版 

¥972