
「この前も言ったよね?」「あなたのせいよ!」。
怒っちゃいけないと分かっていても、ついつい、夫には強く言ってしまうもの。
しかし今、そんな「怒れる妻」に悩み、カウンセラーに相談する男性が増えています。令和元年の家庭裁判所の統計でも、夫から離婚調停を申し立てる理由の第2位は、「妻からの精神的虐待」でした。
知らず知らずのうちに夫を追い詰めないためにも、「怒れる妻」を脱出する方法を探ります。
【座談会】夫たちに聞いた!あのとき妻は怖かった。
Aさんー職業:広告業、結婚歴:4年、妻:育休中、子供:1女(3歳)
Bさんー職業:出版業、結婚歴:12年、妻:パート、子供:1男(9歳)
Cさんー職業:IT 関連、結婚歴:14年、妻:バリキャリ、子供:2女(10歳、12歳)
イラついている理由が分からない……
A うちはそこまで深刻な問題はないんですけど、妻が理由も分からずイラついてるときは怖いかもしれません。
B それは多々ありますよね。
A 家に帰ったときに、なんか不機嫌だなって分かるじゃないですか。「なんだ!?何をしたんだ自分は」ってなるけど、妻からは言ってくれないので、自らパンドラの箱を開けるようなことはしたくないんですが、ずっと気まずいのも嫌なので、「えっとー……どうしたんだっけ?」って恐る恐る聞いてます。

C 奥さんはどういう理由で怒ってるんですか?
A 洗濯物の干し方が乾きにくい並びになってるとか、僕の家事のやり方が妻の理想と違ってたときに怒られることが多くて。妻はできてない部分、マイナスの部分が気になるみたいなんですよね。でも、僕としてはよかれと思ってしたことだったりするので、きつく言われると、シュンとなってしまって。できれば、できたところを褒めてほしいなって思っちゃいます。
B 同感!(笑)。「なんでできてないの」「なんでやってないの」って、心のなかで舌打ちした状態から始まること
もあるもんね。奥さんからしてみれば「やらなきゃいけない状況だって分かるでしょ」って思ってると思うんだけど。
A 男はそれを「今やらなきゃいけないんだ」ってことに気づけずに、普通にソファに座ってたりするんですよね。家事に関わっている時間が短いので、同じように動くのはどうしても難しくて。
C 妻が部屋が散らかってると思っていても、自分はそうだとは気づいていないことすらあるからね(笑)。家事
に関しては素人なので、新人に頼むように説明してくれたらうまくいくのかな。
A 「時間あるときでいいから」とか、枕詞があるだけでもやる気が全然違ったりしますよね。
子供が生まれて 妻が変わった
C でも声をかけたら答えてくれるうちはまだ大丈夫ですよ。Aさんはもうすぐ2人目が生まれますよね。
私の妻は、2人目を産んでからすっかり人が変わってしまいました。上の子が大きくなって自我を持ち始めて、さらに下の子も生まれたら大変で。そのタイミングで仕事復帰もしたので、想定外に大変だったんだと思います。フェーズが変わると思ってたほうがいいですよ。
Aそうですか……。どうしても子供と接する時間も短いので、夫婦で同じ感覚を持つのは難しいなと感じるときはありますね。
B わが家は子供は1人ですが、生まれたばかりのころは、よく怒られていました。妻の大変さを私も分かっていなかったので、夜帰ってきたときに、普通に玄関をガチャって開けたり、冷蔵庫をバタンって閉めたり、ポテトチップスの袋をバリバリって開けたりしてたんです。その音で赤ちゃんが起きてしまうと、妻は1時間かけて寝かしつけたのが台無しになるので、やっぱり怒りますよね。でも、こちらとしては疲れて帰ってきてるので、優しくしてほしいわけですよ。「お疲れ様」って言われたいんです。なのに邪魔者扱いされると、悲しくなっちゃって。妻も大変なんだと思いながらも、自分も大切にされたいという葛藤は当時はありました。

C 奥様からもっと子育てに関与してほしいと言われたりしますか?
A 僕は子供と遊ぶのが大好きなので、それはあんまり言われないですね。ただ、妻は一日中言葉の通じない赤ちゃんと一緒にいるので、大人と話したいという欲求はすごくあるみたいです。今日何があったとか、話を聞いてほしい気持ちは伝わってくるんですけど、僕も疲れて帰ってくるので、聞いてるつもりでも、ちゃんと聞けてなくて不機嫌になっちゃったり。
B 眠気には抗えないんだよね……。
仕事のことを褒められるとやっぱりうれしい
A なんだかんだと言ってしまいましたが、基本は仕事が忙しい僕のことを気遣ってくれていて、妻のおかげで家はホッとできる場所です。
B 家庭に癒やしがあるのは大事だよね。私の妻も、仕事に対してはリスペクトしてくれていて、たまにチラッと褒めてくれるんです。それはやっぱりうれしい。男はプライドの生き物ですからね。
C 私の家庭は少し特殊かもしれませんが、妻が思いっきり働いていて、妻のほうが年収や社会的な地位が高いんです。なので、世間でもよく言われる、「妻の給料が夫の給料を超えると夫婦の危機」という状況になっていて。「私の方が稼いでるのに、なんであんたは何もしないの?」というように、基本スタンスが怒ってるんですよね。そうなる
と普通に会話ができなくて、疎遠になっていっちゃって。特にお酒が入ると、「出ていけ!」「お前なんかいらない!」って言われて、ときには蹴られたりパンチが飛んできたり。
A えー⁉ Cさんも家事や育児はされてるんですよね?
C できる範囲でですけどね。夜中1時くらいに帰って、3時まで洗い物とか洗濯をして、家族の朝食も毎日作ってます。週に一度は家の掃除も全体的にしていて。家事をするのは当然のことだと思ってますが、指で机のほこりをす
くいながら真顔で、「できてないけど」って言われたことがあって、それは怖かった。
B す、すごい……。
C 前はもっと稼げる会社で働いていたんですが、どうしてもやりたいことがあったので、思い切って転職したんです。
その直後はけっこうきつかったですね。でも、妻が稼いでくれているから自分もやりたい仕事ができるんだと割り切ったら楽になりました。子供も病気もせずに育っているし、妻がいなかったら結婚という経験もできなかったと思うので、ありがたいことだなと思っています。
A Cさんの話を聞いていて、妻への感謝が深まりました。
B お互い完成した者同士が結婚したわけじゃないので、環境や相手に合わせて、いい方向に夫婦の関係も変化させていけたらいいですよね。
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