あなたの頭痛はどちらのタイプ?
□ズキンズキンとした痛み
□お風呂に入ると痛みが強くなる
□頭の向きを変えるともっと痛くなる
→ 片頭痛
□ギューッと頭が締めつけられるような痛み
□お風呂に入ると痛みが楽になる
□頭の向きを変えても痛みに変化はない
→ 緊張性頭痛
頭痛には大きく分けて2種類のタイプがあります。ひとつは血管が拡張することで起こる「片頭痛」。もうひとつはストレス性の「緊張性頭痛」です。後者は血管が収縮することで起こる頭痛なので、タイプによって対処法はまったく違ってきます。
まずは自分の頭痛がどちらなのか見分ける方法をお伝えします。ズキンズキンとした痛みで、お風呂に入ったり頭の向きを変えたりすると、もっと悪化するのが「片頭痛」。ギューッと締めつけられるような痛みで、頭の向きを変えても痛みに変化はなく、お風呂に入って温まると痛みが楽になるのが「緊張性頭痛」です。
「緊張性頭痛」は、首が細くてなで肩の女性に多く見られます。体の筋肉はつながっているので、肩こりなどの血行不良で頭痛を引き起こすのです。デスクワークが多い方は、30分に1回はストレッチなどで体を動かすようにしましょう。お風呂にゆっくり浸かるのも効果的です。片頭痛持ちの方は、アルコールは控えめに。アルコールは血管を拡張させるので、片頭痛を悪化させてしまいます。
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)は、片頭痛にも緊張性頭痛にも効く漢方です。毎日飲んで体質を改善していくほか、片頭痛の頓服にも使います。緊張性頭痛の頓服には釣藤散(ちょうとうさん)を。これは不眠解消にも効果があります。また、気圧の変化による「天気痛」には五苓散(ごれいさん)がおすすめです。この漢方は、乗り物酔いや二日酔い防止にもよく使われます。
片頭痛を予防するストレッチ
椅子に座るか立ったまま、顔を正面に向けた状態で体を交互にひねります。症状があるときは避けましょう。
緊張性頭痛を緩和&予防するストレッチ
椅子に座るか立ったまま、肩を後ろから前、前から後ろへ大きく回し、肩や首のコリをほぐします。
ツボを刺激して頭痛を予防&改善
緊張性頭痛には「天柱(てんちゅう)」と「風池(ふうち) 」を上に押し上げるように刺激します。片頭痛の場合、痛みがあるときは頭や首はあまり触らないように「合谷(ごうこく)」を刺激しましょう。どちらもゆっくり、5秒×5回が目安です。
おすすめ漢方薬
毎日飲んで改善
片頭痛と緊張性頭痛を改善したい人に。片頭痛の頓服にも。
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
症状が出たときの頓服に
血圧が高めで、朝方に頭痛が起こりやすい人に。
釣藤散(ちょうとうさん)
気圧の変化によって起こる天気痛の予防・頓服に。
五苓散(ごれいさん)
(「Are You Happy?」2021年6月号)
小林城治
精神科・心療内科医
医療法人社団ヘルメス会「J戸越銀座クリニック」理事長。
高い実績を認められた復職支援(リワーク)の専門機関、薬だけに頼らない療法で社会復帰をサポート。現代書林『赤ひげ名医シリーズ』に掲載他、日本テレビ『ニュースゼロ』TV東京『ワールドビジネスサテライト』等、テレビ出演も多数。
書籍『2014最新版 現代の赤ひげ 医療最前線の名医12人』に選ばれている。