円満夫婦 Interview: ロバート・D・ エルドリッヂさん 永未子さん

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在沖縄米海兵隊政務外交部次長として東日本大震災の際には「トモダチ作戦」の立案に携わり、現在は執筆や講演を通じて日本への提言を続ける“青い目のサムライ”ロバート・D・エルドリッヂさん。妻・永未子さんとの国際結婚ならではの夫婦関係や、何度も困難を乗り越えて強まった絆についてうかがいました。

 

国や文化が違うから気持ちをしっかり伝える

編集部(以下、――)おふたりは、ロバートさんが日本の大学院で学んでいたときに出会われたそうですね。

ロバ―トさん(以下、ロ) 永未子と出会って24年、結婚して20年になります。付き合っている時間は長かったけど、結婚後は少し戸惑うこともありました。

永未子さん(以下、永) でも、〝国際結婚ならでは”というたいへんさはあまり意識していなかったと思います。

 お互いの国や文化は違いますが、永未子と私の生まれ育った家庭は、価値観が似ているところが多かったんです。ふたりとも両親の夫婦仲がよくて、私は5人きょうだいの、永未子は3人きょうだいの末っ子。きょうだい仲もすごくいいんですね。夫婦関係は、国や文化よりも価値観がいちばん大きく影響するのではないでしょうか。

 文化の違いが前提にあるので、考え方の違いも「彼の感覚ではそうなのかな」と納得しやすいですし、お互いを尊重できますね。

 国際結婚は、うまくいけば同じ国や文化圏での結婚よりも強い結びつきになると思うんです。違うからこそ相手を尊敬しますし、言語が違うため、自分が言いたいことや気持ちが相手にしっかりと伝わっているかをとても気にします。でもこれが同じ文化圏で同じ言語だと、必ずしも伝わっていないこともあると思うんです。

――確かに日本人同士だと「言わなくても分かる」という感覚がありますが、そこから誤解が生じてしまうこともありますね。

 私たちは、お互いに意見をはっきりと言い合い、しっかりと聞くようにしています。

 そうね。だから丁寧に言い、一生懸命に聞くという2倍の強さがありますよね。
……

 
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政治学博士。1968年、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。米リンチバーグ大学卒業後、神戸大学大学院法学研究科博士課程修了。大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授を経て、2009年、在沖縄海兵隊政務外交部次長。2015年、同職解任。『オキナワ論』(新潮社)、『一緒に考えよう! 沖縄』(釈 量子 共著/幸福の科学出版)、『トモダチ作戦』(集英社)ほか著作多数。

 

1997年に結婚。現在、18歳の長女と16歳の長男の2人の子供を育てる。