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風邪【 Dr.ジョージのHAPPY診療室】

風邪のひき始めチェック

  • 背中がゾクッとする
  • 肩がこる
  • 喉に異変がある

上記3つの症状が出たら、すぐに対処しましょう!

東洋医学では、「風邪は背中のツボから入ってくる」と言われています。西洋医学の考え方とは違いますが、ウィルスはまず背中から入り、肩からうなじ周辺に留まるとされているので、風邪のひき始めは肩がこるのです。この段階で、喉周辺にも異変が起きてきます。これが典型的な、風邪の初期の症状です。ウィルスがその周辺で留まっている初期の段階ですぐに対処すると、早く治すことができます。

そこでおすすめなのが葛根湯(かっこんとう)です。葛根湯は首から上の部位に効く漢方で、体を温めてウィルスをやっつけてくれます。意外と漢方には即効性があるんですよ。風邪かな? と思った当日から翌朝までに飲めれば安心ですが、つい飲み損ねて2~3日経ってしまったという場合は、小柴胡湯帰郷石膏(しょうさいことうききょうせっこう)がおすすめです。

初期症状が出ずに急激に悪化してしまうのは、お年寄りや体力が落ちている人です。冷え性の人も要注意。要は、免疫が落ちている人ですね。そういう方には、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を処方します。 
実は、風邪もコロナもインフルエンザも、原因と対処法はほとんど一緒です。免疫を上げるためには、まず体の冷えを取ることが先決。そして、免疫の拠点のおなかを整える食材である玉ねぎやゴボウ、にんにくなどを積極的に摂り、血流を上げるためによく歩き、睡眠時間をきちんと取りましょう。そうすれば、風邪もコロナも寄せつけない強い体になれますよ。

風邪のときにおすすめのお茶

ローズバットティー

ギリシャ由来のハーブティーで、体を温めてくれます。若さと美しさを保つとされているので、女性にぴったりですね。

柿の葉茶・桑の葉茶

咳を止める作用があります。いずれもホットで飲み、体を温めてください。

漢方はこんな飲み方も

風邪のときは、とにかく体を温めることが大切です。風邪に効く漢方は、どれも体を温める成分が入っています。漢方の効果をさらに上げるために、体を温める作用のある食材、ショウガやネギ、味噌を入れて、スープのようにして飲むのもいいですね。甘くしたいときは、黒砂糖、はちみつ、メープルシロップを。白砂糖は体を冷やすので避けましょう。お子様にはココアもおすすめです。

Point ×解熱剤

風邪をひいたときは、解熱剤を乱用しないことが大切です。熱を出すことで免疫細胞が活性化しウィルスをやっつけてくれるので、下げてしまうと免疫が働かなくなり、風邪が長引くことも。

おすすめ漢方薬

風邪のひき始めに
葛根湯(かっこんとう)

症状が出て2 ~ 3 日経ち、喉が痛く微熱があるときに
小柴胡湯帰郷石膏(しょうさいことうききょうせっこう)

症状が重く、ぐったりしているときに
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

(「Are You Happy?」2021年3月号)

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