〔今回のお悩み〕
反抗期真っ盛りにある長男は、ちょっとしたことでイライラすることが多くなりました。私や主人にも言葉で反抗心をぶつけてきたり、相部屋の次男に八つ当たりをしたりします。次男はまだ小学生なので、長男の厳しい口調にびっくりして泣き出すことも多く、かわいそうです。反抗期の息子をどのように諫(いさ)めればよいでしょうか。
中学2年生の男の子と小学3年生の男の子のママ (40代)
反抗期は正常な成長過程の一つ
反抗期は、中1の終わり頃から始まることが多く、男の子は体が親と同じくらいか、親を抜き始めたあたりで言うことを聞かなくなってくると言われます。親への反抗は「自立したい」という意思表示でもあるので、正常な成長過程の一つであり、お母さんが必要以上に心配することはありません。反抗期は一時期のことで、必ず過ぎ去っていくものだからです。
私が校長を務める学校は、中高一貫校のため、6年というスパンで子供の成長を見ることができます。中学2年生の頃、とてもやんちゃで、何でも反発してきた子が、高校に上がってしばらくすると、「中学のときの、あれは何だったんだろう」というくらい落ち着き、ぐんと大人っぽくなります。
他人から指摘されるまでもなく、自分で自分を「子供っぽいなあ」と感じるときがあるようで、「大人と対立すること」から、「自分が大人になること」を望むようになっていきます。それによって、大人から感心してもらえることも増え、「認めてもらえた」という安心感で、落ち着きを取り戻すようです。
家族全員で祝福し合うカルチャーづくりを
さて、ご質問は兄から弟へのいじめですね。年の離れた兄が厳しい言葉やイライラをぶつけたら、確かに小さな弟がかわいそうに思えます。次男への八つ当たりは、兄弟間の嫉妬心の表れかもしれません。兄からすれば、弟は年下で、親の手がかかるため、母の愛が弟に多く注がれているように見えなくもないでしょう。家に兄弟がいて自然状態においたら、普通は親の愛、特に母親の愛情を取り合います。
お母さんが気をつけるべきことは、家族のなかの一人が良いことがあった場合、その子だけを褒めて、ほかの子は不幸、という関係をつくらないことです。
長男としていつも頑張っているお兄ちゃんに対しては、「お兄ちゃんがしっかりしているから安心だよ」と褒めてあげたり、上の子が勉強などを頑張ったら、弟に対しては、「お兄ちゃんが立派なことは、あなたにとっても、とてもいいことなんだよ」と嫉妬させないよう、うまく声をかけて愛情を示すことです。
子供は親の愛情を引き付けるために、親を困らせることがあります。「荒れる」、「病気をする」などもそうです。確かに病気をすれば、母親が優しく、自分のために時間を取ってくれます。親の愛を一身に受けようとして、暴れていることもあります。
家族の経営は、プラス思考でいきましょう! 兄弟姉妹一人でも良いことがあったら「家族全員の喜びだね、兄弟みんな幸福だね」と、お母さんが常に話してあげてください。「誰かが成功すれば、他の人も幸福」という、嫉妬社会とは逆の家庭づくりで、お兄ちゃんの反抗期を乗り切りましょう! もう大丈夫!!
(「Are You Happy?」2019年11月号)