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子供は遊びの中でヒューマンスキルの基礎を学びます

今年1月、大川隆法総裁は幼少期の子供たちとパパ、ママに向けて「友だちとなか良く遊ぼう」というお話をされました。タイトルだけを聞くと当たり前のことのように思われるかもしれませんが、子供は遊びの中で、ヒューマンスキル(他者との良好な人間関係を構築・維持するために必要な能力や技術)の基礎を学ぶ、ということが大変よく分かるお話でした。ですから、一人でも多くのパパやママにこのお話をご紹介したいと思います。

遊びと早期教育

お話の最初のテーマは、「遊びと早期教育について」です。都市部の親は地方の親よりも比較的競争意識が強く、「ただ遊ばせておくより、特別な教育を施して、普通の子より早く成長させよう」と考える親も多く見受けられます。たしかに都市部には種々様々な幼児教室があり、「小さいころ獲得したアドバンテージで人生が有利になる」というような広告も目にします。お父さんやお母さんは、急いだり焦ったりすることも多いと思います。

しかし大川総裁のお話にもあるように、子供はゆっくり成長するものです。子供にはちょうどよい学びの時期というものがあり、早過ぎると大人からいじめられているように感じ、それが後々まで影響することもあります。

また、「親の職業が立派だ」とか「お前は特別優秀な子だ」と特別扱いされて育つと、常に周りに特別扱いを求めるようになり、それがみんなと調和できない原因にもなるので、「子供はみんな平等に神様の子だ」と教え、互いに仲良くし合い、学び合うことを教えることが大切です。

子供はお砂場で人間関係を学ぶ

子供は夢中で遊んでいるとき、心も頭も体もフル稼働しています。

かくれんぼでも電車遊びでも、相手の心理を読んで工夫しながら隠れたり、昨日より複雑な立体交差を作ろうと自分に挑戦しながら遊びます。遊びの中で、新しいことに挑戦したり、経験を積んだりしながら、次第に総合的知能が育まれていくのです。

そして何より、子供は遊びの中で、守るべきルールや人間関係を学びます。これがとても大切です。

子供はお砂場や滑り台やブランコで「遊びにもルールがあること」「お友達と仲良く遊ぶにはルールを守らなければいけないこと」を学びます。滑り台の順番を守ること、ほかの子が使っている道具を勝手に取らないこと、借りるときは「使ってもいい?」と聞くこと、自分勝手なことはしてはいけないことなどを知ります。

そして、時にはけんかしたり、泣いたり泣かされたりしながら、「自分勝手なことをしたり、意地悪をしたら、みんなに嫌われるのだ。それは良くないことだ」「お友達と助け合い、親切にすることが大事だ」という人間関係の基本も学ぶことができます。その際は、パパ、ママのほうから「大人や、一つか二つ上の学年の子を見習うといいよ」と教えてあげることも大事です。

遊びの中で身につけたヒューマンスキルの基礎は、大人になり社会人になってからもとても役立ちます。ですから、幼少期から遊びを通して、ルールを守り、良い人間関係を築く力を身につけさせてあげましょう。

 (「Are You Happy?」2021年5月号)

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奥田敬子 

早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。

 

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