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更年期障害【 Dr.ジョージのHAPPY診療室】

主な更年期症状
ホットフラッシュ
イライラ
肩こり
のぼせ
ほてり
頭痛
めまい
立ちくらみ
むくみ
疲れやすい
おなかの痛み
不眠
骨粗鬆症
動脈硬化

閉経の前後5年間に症状が現れる「更年期障害」。
まったく症状が出ない方から、日常生活に支障をきたすくらい重い方まで人それぞれのようです。
原因は、女性ホルモンの低下とされていて、イライラや肩こり、ホットフラッシュ、頭痛、めまい、むくみ、疲れやすい、おなかが急に痛くなる等の症状が出ます。女性ホルモンが低下するのは45歳くらいから。平均すると、40歳ごろからイライラや不眠等の精神的な症状が出やすく、最近は昔より早くなってきているようです。
更年期の症状が出る人は、20代、30代のころから症状が出ています。生理前にイライラが強かったり、貧血やめまい、不眠などの症状が見られるようなら、早めに改善しておくといいでしょう。逆に、PMSが軽く、体質的に冷えがない人、ストレスを感じにくい人、食生活が乱れていない人は、更年期の症状が出にくいようです。

食養生で更年期を乗り切りろう!更年期症状を予防・緩和する食材

のぼせ・イライラ
大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンと同様の働きがあります。
味噌、豆腐、納豆

むくみ・頭痛
むくみや頭痛は、東洋医学では「水毒」に当たります。水の流れをよくする食材を。
小豆、しじみ、とうもろこし

冷え
冷え性の人は、体を温める食材を積極的に摂りましょう。
玉ねぎ、ニラ、生姜

Column 女性の3大聖薬に入っている「芍薬(しゃくやく)」

更年期に使われる「加味逍遙散(かみしょうようさん)」、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」は、女性の3大聖薬と言われていて、私も処方することの多い漢方です。この3つの漢方に共通して入っているのが芍薬で、昔から「女性の妙薬」とされ、排卵障害や不妊治療にも使われてきました。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」ということわざもあるように、芍薬には「美人」という意味もあるようです。また、根を煎じて飲むと筋肉のこわばりを緩和するといわれ、てんかんの薬としても用いられており、ローマ時代は「芍薬を首飾りにしてつけていると、てんかんの発作が起きない」と言われていたようです。

おすすめ漢方薬

更年期のさまざまな症状に一番よく使われる定番漢方
加味逍遙散(かみしょうようさん)

めまいやむくみがある人に
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

体力があり、のぼせと冷えがある人に
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

イライラするときの頓服に
抑肝散(よくかんさん)

(「Are You Happy?」2022年4月号)

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小林城治 

精神科・心療内科医

医療法人社団ヘルメス会「J戸越銀座クリニック」理事長。

高い実績を認められた復職支援(リワーク)の専門機関、薬だけに頼らない療法で社会復帰をサポート。現代書林『赤ひげ名医シリーズ』に掲載他、日本テレビ『ニュースゼロ』TV東京『ワールドビジネスサテライト』等、テレビ出演も多数。

書籍『2014最新版 現代の赤ひげ 医療最前線の名医12人』に選ばれている。

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