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夏の子供の体調管理と、子連れ長距離移動の乗り切り方〔子育て110番〕

子供は暑さに強いの? 弱いの?

炎天下の公園でも、子供は平気で走り回ったり、熱く焼けた滑り台に挑戦したり、ジャブジャブ池で長い時間水遊びをしたりします。「もう帰ろう?」と促しても、「まだ!」と言って遊ぶのをやめません。そんなときは、子供は大人より暑さに強いなあと思います。

しかし、子供が満足するまで外遊びをさせると、突然電池が切れたように疲れて動かなくなったり、時には、夜に熱を出すこともあります。

大人より体が小さい分、暑さに強くもあり、また暑さの影響も受けやすいのが子供です。だからといって、熱中症や夏の感染症を怖がり、空調の効いた室内で汗もかかずに過ごしてばかりいては、子供の体力や運動能力は健やかには伸びません。適度な外遊びをさせてあげて、お日さまの下で筋肉を動かし、汗をかいて、暑さに強い体をつくることも大切です。

まずは大人が、子供の体についての基本的な知識を持ち、異変のシグナルをキャッチして対応できる知恵を持っておくことが大切です。

赤ちゃんや子供は、汗をかく機能が未発達で、体温調節が上手にできません。だから、体に熱がこもりやすく、発熱しやすいのです。また、子供は自分の体の異変を敏感に察知することができません。異変を大人に伝えなくてはいけない、ということも知りません。「どうしてもっと早く言わないの!」と叱(しか)られても、無理な話なのです。

ですからまず、お子さんの日ごろの体力やその日の体調を知っておきましょう。体調管理の基本は、十分な睡眠と栄養です。そして、外遊びの際は通気性のよい服を着せ、顔や首を直射日光から遮る帽子をかぶらせましょう。人は汗とおしっこで体温調節しますから、こまめな水分補給が大切です。

もし異変を感じたら、たとえ用事の途中でも、子供を第一に考え、冷房の効いた室内に移動させたり、水分と糖分と塩分が一度に摂れるスポーツドリンクなどを飲ませましょう。また、手足口病、プール熱、ヘルパンギーナなどの夏の感染症の特徴を知っておき、疑わしいときは速やかに小児科に行きましょう。

長距離移動を乗り切る知恵

夏は、帰省で仕方なく子連れで長距離移動する方も多いでしょう。身動きが取れない新幹線や飛行機、車の中は、子供にとって快適なはずがありませんから、当然ぐずります。ママとしては少しでも楽に乗り切りたいですね。

まず、厚着は禁物。楽で涼しい服を着せてあげてください。靴下も脱いでいいです。その上で脱ぎ着しやすい前開きの薄手の上着を1枚持っておくこと。乗り物に乗る前には、「大丈夫よ。着くまで泣かないで、ママと楽しく過ごそうね」と、にっこり笑ってお約束。さらに、〈大好きな飲み物〉〈大好きなおやつ〉〈いつもの玩具(おもちゃ)〉を用意して、順番に小出しにします。これを二回転ほど繰り返したら、「ここまで頑張ったご褒美(ほうび)よ」と、隠し玉の「はじめての玩具」を出します。

これだけ準備すれば、ママも心に余裕が生まれるでしょう。飛行機や新幹線では、「泣かれたら困る」というママの緊張が子供に伝わって泣くケースが多いので、まずはママがリラックスするよう心掛け、準備しましょうね。

(「Are You Happy?」2016年9月号)

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