障害を持つ長男と3人の子供の子育てに尽力してきたYさん。しかし、長男は13歳で亡くなります。悲しみに暮れるも再び立ち上がるまでのストーリーを聞きました。
障害のある息子が生まれ、生きがいだった仕事を退職
技術系の専門学校を卒業後、検査技師として病院に就職した私は、充実した毎日を送っていました。検査技師は高校生のころから憧れていた職業で、実際に働き始めるととても性に合っていたんです。そのころの私の生きがいといえば、仕事と趣味でやっていたテニス。大きな夢や目標はありませんでしたが、とにかく毎日を楽しく過ごしていました。
その後、24歳で結婚し、翌年には第一子を授かりました。産休明けはすぐに復帰するつもりで、勤めていた病院に入院。長男・貴之を出産したのですが――。
お産の直後、なぜか貴之は慌ただしく小児科へ運ばれていきました。なすすべもなく病室で待ち続け、やっと面会したとき、その手にはぐるぐる巻きの包帯が。貴之は片手が曲がって親指がなく、「ファロー四徴症(しちょうしょう)」という心臓の疾患を持っていたのです。一度も抱きしめることができないまま、今度は小児病院へと運ばれていきました。
「1週間ぐらいしかもたないかもしれません」
お医者さんからそう言われ、私は病室で一人、泣きながら過ごしました。
(順調に人生を生きてきたのに、急に何が起きたの……?)
生まれてきた子供の障害。それは私にとって、初めて現れた人生の壁でした。悲しみと同時に、貴之や主人、主人の家族に対する申し訳なさも湧いてきます。「妊娠中、何か悪いことをしたんだろうか」と、自分を責め続けました。
貴之は何とか……
本誌では上記エピソードの続きと、下記の記事をお読みいただけます
▶ 仕事の挫折、恋人との別れ、母との死別—どん底人生からの脱出
▶ 夫の不倫、離婚を乗り越えて―愛する人の裏切りを許せたとき
▶ 自分の存在価値が分からず自暴自棄に生きて―生きる意味を教えてくれたもの など
最新情報をチェック!
フォローする