神話を学ぶ3つの意義

幼いころから神話を学ぶことの大切さについて、幸福の科学大学ソフト担当局長の金子一之さんにお話をうかがいました。(2013年11月号掲載)

「神話は道徳心と愛国心、ピュアな心を育みます」

①神話を子どものうちに学ぶことは情操教育や宗教教育になります。

昔は神様やご先祖様といった、「目には見えない存在が見守ってくださっている」と家庭や学校で教わることで、子どもたちには自然と自制心が育はぐくまれていきました。今はそうした教育がされないため、自らを律して人格を高めていく大切さが伝わっていないように感じます。

神々の話をまとめた神話には、宗教心や道徳心を養う力があるため、幼いころから神話にふれることは、その後の人生によい影響を与える情操教育にもなります。神話は、宗教的な人間になるための“心の遺伝子”をつくってくれるのです。
 

②国や民族に対する誇りや愛国心を養うことができます。

神話には、その国の起源や国づくりの話などが必ず含まれています。その国の神話を大切にすることは、自分の生まれた国に対する誇りや、愛国心を育てることになるはずです。

逆に、自国の神話を学ばず、愛国心のない国民が増えれば、その国や民族の未来はありません。戦後の日本は自虐(じぎゃく)史観が強く、学校でも家庭でも、日本の神話を教えなくなりました。「戦前の教育や宗教観は間違っていた」という声もありますが、その考え方は、これまで日本を護り、導いてこられた日本の神々を否定することと同じです。

神話を否定的に捉える理由のひとつに、「科学的でないから価値がない」というものがあります。しかし、神話が長く語り継がれてきた理由は、その中に人間にとって大切な真実があり、原型となる事実があるからではないでしょうか。

③チャレンジ精神、努力する心、勇気ある人間をつくります。

神話には、自分の国を創った神や、苦難や困難を乗り越えて活躍した話などがたくさんあります。神話は一種の「英雄物語」なんですね。

子どものころから神話に親しんでいると、人生の壁に直面したときも、「神話の神々のように、この壁を乗り越えていこう」という勇気やチャレンジ精神が出てくるのではないでしょうか。そこから努力・精進の精神が生まれると思います。

また、神話は夢やロマンを描く力も与えてくれます。ドイツの考古学者シュリーマンは、幼少時にギリシャ神話のホメロスの『イリアス』に夢中になり、伝説の都市トロイが実在すると信じて考古学と語学を学び、数十年後、ついにトロイ遺跡を発掘しました。それは幼いころの純真で素直な心を持ち続けたからこそ、なしえた事業だと思うのです。

「幼子(おさなご)のような心でなければ、天国の門は開かない」と聖書にあるように、そのピュアな心は、宗教的人間になるための鍵といえるでしょう。神話を信じる力は、天国の門を開く心を教えて
くれるのではないでしょうか。

(「Are You Happy?」2013年11月号)

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