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高校生の娘が整形をしたいと言い始めました。【竜の口法子校長の熱烈エール】

竜の口さんーアイキャッチ5月号

 
〔今回のお悩み〕
高校2年生になる長女は、昔から自分の顔に対するコンプレックスがあるようで、お化粧やアイプチなどに凝っていましたが、最近「プチ整形をしたい」と言い出しました。娘は「周りの友達もしているから」と言いますが、私としてはあまり気が進まず、どうしたものか悩んでいます。

大学1 年生の男の子と高校2 年生の女の子のママ(40 代)

 

美容整形の功罪

日本では、「親からいただいた体を傷つけてはいけない」という考えもあり、これまでは「美容整形は特別な事情のある方がするもの」という認識がありました。しかし、現代では医療技術も進化し、メスを使わず、切らなくてもよい整形など、誰もが気軽にできる雰囲気になってきました。お隣の韓国では、日本よりも多くの方が整形をされるようですが、私には、〝整形美人〞となった女性たちが、みんな同じ顔に見えて仕方がありません。

確かに外見が変われば人生が変わることもあります。例えば、私の友人にも小さいころから目が一重だということに悩み続け、社会人になってすぐに二重にした人がいました。後にその友人は性格まで明るくなっていったので、私も一概に否定する気はありません。

美容整形は自由診療なので、当然お金もかかりますし、整形した箇所を維持するために、さらに通院を続けなくてはいけなくなる場合もあります。なので、まずはお
母さんと娘さんでよく話し合ってください。「一回、この部分で終わり」と満足するならよいかもしれませんが、一度整形をすると、変えたい箇所が増えることも多いと聞きます。また、病院や医師によって差はありますが、次々と手術の提案をされ「美人になりたい」という欲望をかき立てられて、予定していなかった手術までしていたということもあります。

要は、整形が執着にならないこと、欲望が増幅するような状態にまでしないことです。コンプレックスが減り、前向きになることは一定の範囲でありますが、限度はあるのだと知っておいたほうがいいでしょう。

 

内面の魅力が外側に表れてくる

本当は、心が変われば外見も変わります。客観的に美人かどうかということと、他人がその人を「美しい」と感じるかには違いがあり、元気なオーラを放っていると、実際よりずっと美しく見えるものです。

さらに、人間の「イメージする力」は絶大です。アスリートが大会前に自己催眠をかけるように、「自分は、良い方向に変わるのだ」と自己イメージを肯定し続けると、本当に容姿まで変わってきます。

実は私も中高生のころは、ずいぶんと容姿に関して悩みました。しかし年齢を重ねてみると、人格や中身がこれほど外見を変えてしまうのかと驚きます。30代になると、顔つきは心の反映だと痛感するようになりました。

この機会に美について親子で話し合うことができるといいですね。すでに娘さんがされているように、お化粧や服装、髪型などを工夫することでアクセントをつけ、自分にしかない魅力を引き出す方法を同じ女性としてアドバイスしてあげましょう。そして、心を磨くことで、年齢とともに本質的な部分で勝負していくことの大切さも伝えてみてください。もう大丈夫!!

 
(「Are You Happy?」2020年2月号)

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