consultation

意見や権利ばかり主張する若手社員に頭を抱えています。〔心のお悩み相談室〕

某メーカーで管理職として働いています。入社4年目の女性部下(26歳)は、新卒で配属された当時から、重要な案件を相談せず決定し、叱責すると「こんなやり方古いと思います」と逆ギレ。任せた仕事が期日にできておらず、問い詰めると「私はデータ入力するために入社したんじゃありません。こんな仕事じゃ私の能力が生かせません!」と食って掛かられたことも。自分が悪いと思っていないため、謝罪や反省をしないせいか4年経った今も仕事能力は上がらず……。他部署の管理職からも、「仕事ができないのに意見や権利ばかり主張し、自分の非を認めない若手が増えた」という声を聞きます。この、いわゆる“ゆとり世代”の扱いはどうすればいいでしょうか。(40歳・女性・会社員・独身)


世代間ギャップを乗り越えるための考え方

片や「自分で考えろ、見て覚えろ」と叱られながら育ってきた世代。片や家庭でも学校でもあまり叱られたことがなく、「わからないことは聞きなさい」と優しく育てられた人が多い世代。異なる価値観がそこにあります。人は自分がされたように、部下にも接してしまいがちですが、これだけ社会の変化のスピードが速いと、「自分が新人の時はこうだった」というのはもはや通用しないと思ったほうがいいでしょう。
“勇ましい”若手さんですが、それは「ゆとり世代=仕事ができない」というレッテルに反発しているのかもしれません。ひと括りにゆとり世代といっても、実際にはいろいろな人がいます。ですから、「自分がその部下を理解できない」イコール「彼(彼女)はダメ社員なんだ」と考えるのではなく、「理解できないということは、自分にまだ見えていない能力や可能性があるのかもしれない」とポジティブに考えてみてはいかがでしょうか。

 

その仕事の意義を伝える

また、職場でありがちなのが、「これやっといて」と作業の指示だけ出すことです。しかし若手も会社に貢献したいはず。ですから、「なぜこの仕事が必要なのか」「どんな意味があるのか」を説明すれば納得し、それらを自分の仕事の判断基準として、報・連・相もきちんとするようになるのではないでしょうか。
たとえば「このデータ入力を期日までにミスなく仕上げてくれると、これをもとに今後の社の方針を決める重要な統計が作れて、とても助かるのよ」とか。あるいは「コピー取りは、それを見る人への与える愛なのよ」と教えれば、若手は見る人の立場に立って、曲がったりページが抜けたりしない綺麗なコピーを取ってくれるでしょう。やはり「誰かのために」という大義名分には、誰も反対はしません。さらに日ごろから「お客様に喜んでもらいたいね」などの声掛けをしたり、若手の意見を先入観を持たずに聞いてあげることも大切だと思います。
なお、その仕事が本当に向いていないために、できない社員に見える場合もあります。思い切って他の仕事(ただし何かあったら周りがフォローできるレベルで)を任せてみるのもひとつの方法でしょう。その若手社員さんは物怖じしない性格のようですので、データ入力は苦手でも、意外と交渉力があったりするかもしれません。もちろん失敗も多いでしょうが、それも大切な経験で、本人の将来にとってよき糧になるものです。どうぞ、「人は教育によって必ずよくなる」と信じてみてください。

 

宗教を学ぶことで、教育者としての力がつく

管理職には宗教の勉強も欠かせないと思います。人間の心のあり方や生き方について学べば、自らの魂も磨かれますし、部下からより一層信頼されるようになります。職場は一種の人生道場でもあると思ってみませんか? 仕事の成果と共に、悟りや人徳をも求めていくことが、必ずや素晴らしい発展をもたらしてくれるでしょう。

(「Are You Happy?」2015年8月号)

印刷する

金澤由美子 

1989年に幸福の科学に奉職し、支部・精舎・本部勤務を経て現職。その間、数多くの悩み相談を行う。

タイトル

『リーダーに贈る「必勝の戦略」』

『リーダーに贈る「必勝の戦略」』

部下・後輩を持つ、すべての方へ。“大将の器”とは何か、どうすれば他の人がついてくるのか――組織の人材育成力を上げる方法を始め、「創造するイノベーターであり続ける方法」などが満載。子供への接し方にも応用がききます。

連載