私は現在、小学校の役員をしており、子どもたちが安全に登下校できるよう、集団登校の見守りなどをしています。
じつは、集団登校の通学団のなかに「アスペルガー症候群」と診断された高学年の男の子がいます。登下校の際、集団から離れて車道を歩いたり、ときには、体の小さな下級生につらく当たったりするため、「困った子どもがいる」という悪評が広まっています。
本人に話をし、指導しましたが、なかなか聞いてもらえないため、その子のお母さんに尋ねたところ、アスペルガーだということを打ち明けられました。しかし、お母さんも「この子は難しい子で、怒ると怖いから……」と、息子に何も言えない状況。また、「アスペルガーだということを他の保護者たちに公表しないでほしい」と言われてしまいました。
アスペルガーのお子さんとその母親に対して、私ができることはどんなことでしょうか。 (40代・女性・子ども3人・主婦)
アインシュタインもアスペルガー症候群だった!?
アスペルガー症候群は、「高機能障害。非常に知能は高いが、自閉症の一種である」とか「他人とのコミュニケーションが非常に苦手」と説明されることが多いようです。しかし幸福の科学では、そうした診断にとらわれ過ぎないよう説かれています。
実際、アスペルガー症候群の子どもの中には、自分の関心ある分野で、驚くべき能力や知識を発揮する子がいますが、これは一種の天才児です。医師の定義によれば、アインシュタインもアスペルガーになるそうです。あのような大天才を障害に分類するとは、何か変な気もしますが……。
さらにアスペルガー症候群の中には、非常に潔癖で正義感が強く、悪と戦ったりする性格がありますが、これは光の天使の性格といっしょです。逆に言えば、光の天使も医師にかかると病気にされてしまうのかもしれません。
ご相談のその子もまた他の人と等しく、仏に創られた「仏の子」です。魂は完全で、成長する可能性を秘めています。
ですからまず、「病気や障害などではなく、強い個性なのだ」「仏の子として、この子もまた成長してゆけるのだ」と、心から信じ切ってください。それが、その子をよい方向に導いていくための出発点です。
愛と信じる心で、魂に呼びかけよう
「立ち向かう人の心は鏡なり」― 。人間は、親切な人と会うと親切になり、トゲがある人と会うとトゲが出てきます。
「困った子」という周囲の思いは、その子も少なからず感じ取っているでしょうし、「何か問題が起きたとき、言うことを聞いてくれないと困る」という思いで裁いたり、頭ごなしに叱ったりすれば、反発されるだけでしょう。
とはいえ、登下校中に車道に飛び出したりしては危険です。そうしたときには、責めたり、裁いたりせずに、静かな心で、その子の気持ちを聞いてあげましょう。下級生にちょっかいを出すのも、その子なりの理由があるかもしれません。それを聞き出し、その上で、理由を示しながら静かに諭しましょう。
簡単ではないと思いますが、これは愛の修行だと思って、信じる心で、その子の魂に呼びかけてみてください。愛の思いでその子を受け止め、一つひとつ根気よく教えてあげましょう。手がかかるのは事実だと思います。しかし、あきらめずに、周囲が圧倒的な善念で、「この子をよくしたい」「必ずこの子のいいところが出てくる」と思い続ければ、だんだんよくなっていきます。
ひとりで悩まないで
今、その子のお母さんは悩みをひとりで抱え込み、途方に暮れているのだと思います。彼女に今いちばん必要なのは、相談相手、そして正しい知識です。まずはあなたが、お友達になってあげてはいかがでしょうか?
また幸福の科学でも、障害児支援の運動をしています。経験豊富なボランティアを中心に、全国各地で障害児向けの信仰教育を行い、その保護者には、交流会や、医療者・特別支援教育者による勉強会、メール相談を行って、ご両親を励まし勇気づけています。そのお母さんに、「ひとりで悩まないで仲間をつくりましょう」とご紹介されてもよいでしょう。
(「Are You Happy?」2013年1月号)
参考書籍
① アスペルガー症候群について
アトピー性皮膚炎、自閉症・アスペルガー、吃り、リウマチなどの難病や障害の原因と、その対策、心構えなどのアドバイスが満載!また、そうした人を看護・介護する方の心掛けについても説かれています。
『心と体のほんとうの関係。』
大川隆法 著
幸福の科学出版
② 立ち向かう人の心は鏡なり
人生の苦難を乗り越える秘訣が「不動心」と言われるものです。第6章では、人間関係を改善していくために、「立ち向かう人の心は鏡なり」という言葉の実践について説かれています。
『不動心』
大川隆法 著
幸福の科学出版
(「Are You Happy?」2013年1月号)
金澤由美子
1989年に幸福の科学に奉職し、支部・精舎・本部勤務を経て現職。その間、数多くの悩み相談を行う。