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恋愛に夢中で勉強に身が入らない息子に困っています。〔竜の口法子校長の熱烈エール もう大丈夫!〕

〔今回のお悩み〕
進学校に合格し、現在高校2年生の長男は、勉強熱心で成績もよいほうだったのですが、同級生の女の子と付き合うようになってから急に成績が落ち始めました。これから大学受験が始まるというのに、まったく勉強に身が入らない息子に、親としてどのように声をかければいいでしょうか。(51歳/兵庫県)

いい恋愛と、よくない恋愛のチェックポイント

お母さんから息子さんに対し、「恋愛はこうすべき」という、確実に正解となるような公式を教えることは難しいかもしれません。ですが、さまざまな事例から抽出された教訓を参考にアドバイスをすることはできると思います。

恋愛には、お互いを高め合う恋愛と、堕落させる恋愛があると言われています。高校生であれば、本分である学業が進む方向での恋愛が理想的であり、望ましいことは言うまでもありません。恋愛をすることで、二人の未来が「幸福になる方向に向かっているのか」、それとも「堕落し、破滅する方向に向かっているのか」というところが、いい恋愛か、よくない恋愛かのチェックポイントになるでしょう。

子供に伝えておきたい、恋愛の先にある未来

お母さんからは、「あなたは相手の女性に責任を持つ立場にいるのだ」と、恋愛自体は否定せずに、息子さんを一人の大人として尊重し、話してあげましょう。「彼女にも将来があり、未来がある。あなたが本当に彼女の幸福を願っているのであれば、お互いが勉強の邪魔になるような関係ではいけない。もし成績が下がり続けるようであれば、親は心配してしまう。周りの人が安心し、みんなから祝福されるようなお付き合いをしよう」と、伝えてみるとよいと思います。

また、「恋愛の先にある未来」を示してあげるのもよいでしょう。健全な恋愛のもと、高校や大学で勉強に励み、社会人になり祝福される時期が来たら、幸せな家庭を築くこともできます。一方で、あまりにも早く肉体的な誘惑に屈したために、悲劇が起きた事例を教えてあげることで、恋愛による不幸への防波堤となるでしょう。実際に、進学校のエリート高校生のカップルが、女子生徒の妊娠により退学となってしまい、その後、二人の人生が転落の一途をたどった例があります。ほんの数年、「自制心」が足りなかっただけで、自らも相手も人生が大きく変わってしまう可能性があるのです。

親が言いにくいときは、周りの人に協力してもらう

恋愛で相手を理想化することによって、「ふさわしい自分に変わっていこう」と人格が高まるきっかけになることもあります。精神的なものが、きらっと光るような恋愛であれば、勉強にも身が入るでしょう。しかし、恋は盲目といいます。高校生の男の子は、お母さんが何を言っても聞く耳を持たない、ということもあるでしょう。「誰から言われるか」によって、反発したり、納得したりするのが思春期の子たちです。息子さんが尊敬する少し上の先輩や、20代の若手の教職員の方に協力してもらい、お母さんの代わりにアドバイスを言っ
てもらうと、素直に受け止めてくれるでしょう。もう大丈夫!!

(「Are You Happy?」2020年7月号)

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