〔今回のお悩み〕
小学校、中学校とも公立校に進学した長男。来年は高校受験なのに、勉強もせずに友人宅を遊び歩いたり、自宅に戻ってもゲームばかりやっています。夜中までインターネットを見ていることもあり、主人に注意してもらうなどしていますが、効果はありません。どうしたらよいでしょうか。
(高校2年生の女の子と中学3年生の男の子のママ (30代)
目標を見つけ、「分からない」から脱却しよう
文科省がスマホ依存と学力テストの成績の因果関係を調べたところ、小中全教科で、スマホの使用時間が増えるほど成績が低下する「スマホ学力低下現象」傾向が見られました。今の中高生は、いつでもインターネットにつながる環境にいるため、自制心が求められます。
私が出会った中高生で、勉強嫌いから、見違えるように勉強するようになった子の共通点は、「目標が見つかった」ということです。無気力だった子が目標を見つけたとたん、英単語帳を持って歩きながら勉強するようになり周囲を驚かせました。お子さんが、大目標の「将来の理想像」、中目標の「なりたい職業」、小目標として、「入りたい学校」、そのために模試で偏差値〇〇を目指す、という方向をつかめたら絶対に変わります。まず「目標」を一緒に考える人が必要です。家族や友達から刺激される子もいれば、先生の方が良い場合もあります。
勉強嫌いになる原因として「勉強が分からない」ということがあります。授業に出ていても、難しくてついていけず、やる気を失っている場合もあります。以前、思い切って中学1年から「巻き戻し学習」をし、簡単な基礎の英数からやり始めたら、「分かる」ことの喜びで、意欲を取り戻した高校生がいました。人間は、「分からないことが分かったとき」、やる気が出ます。ただ、本人があきらめていることが多いので、両親からそっと、先生方に相談するとよいでしょう。
また、ゲーム好きの子は、生活習慣を整えることも学力と直結します。まず起床時間を決め、いつも一定の時間に起きることです。朝食をきちんと食べると頭が働きます。
効果的な声掛けのポイント
最後は、親の声掛けです。重要なことは、タイミングと励ましです。私は生徒から、「勉強しようと思っていたのに、〝やれ〞と上から目線で言われたのでやる気がなくなった」と言われたことがあります。大変なわがままですが(笑)、私は「がみがみ説教」や、「これじゃ、使命を果たせないよ!」など、脅すような言葉で、生徒が勉強するようになることは絶対にないと悟りました。声掛けの中心は励ましです。今までできなかったことができるようになったことを褒めるためには、子供への強い関心が必要です。子供は「見ていてくれる、認めてくれている」という愛を敏感に感じます。
また、ご褒美はそれ自体が目的になってはいけませんが、勉強するきっかけになることもあります。例えば、「受験が終わったらあなたが行きたい場所を選んで、家族で旅行に行こう!」などと提案してみてはどうでしょうか。ゴールの先にある楽しみによってモチベーションを高め、少しずつ勉強の自信をつけさせてあげてください。将来、息子さんが多くの人々の
お役に立つことをイメージし、願い続けましょう! もう大丈夫!!
(「Are You Happy?」2019年9月号)