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「第一志望の学校に入学したら、 燃え尽きてしまったようです。」【竜の口法子 校長の熱烈エール もう大丈夫!】

もう大丈夫!第1回

 
〔今回のお悩み〕
第一志望の学校に入学したら、燃え尽きてしまったようです。受験勉強を頑張って、憧れの大学に入学できたのはいいのですが、「入学してから何をするか」というイメージがなかったのか、毎日をぼーっと過ごす様子は、まるで抜け殻のようです。そんな息子に、どうアドバイスしたらいいでしょうか。

(大学1 年生の男の子と高校1 年生の女の子のママ 50代)

 

エネルギーを取り戻そう

それは、典型的な「燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)」ですね。私の知人にも、中学受験で精魂尽き果て、入学した途端に抜け殻のようになった子がいました。勉強がとてもできたのに、やる気がなくなり、成績が急降下してしまったのです。世間ではよく「大学までの人」「会社に入社したらそれで終わってしまう人」などと言いますが、子供から大人まで、バーンアウトしてしまう人は存在します。

対策としては、まず、息子さんを「全力疾走してきて、ガソリン切れなんだな」と認めることです。そして、お母さんがどっしりと構え、「今は魂が休養と休息を欲している」と考えて、温かい言葉をかけてあげてください。第一志望への合格は、努力の成果です。頑張って勉強したのですから、人生には充電が必要な時期もあると、神経を伸ばしてみるのも悪くありません。そして、様子を見て、「静かに瞑想などができる時間」を提案するのもよいと思います。要は、「心のバランスを取り戻す」こと。もう一つは「体力を取り戻す」ことです。体を鍛え直して筋力がついてくると、エネルギーが戻ってきます。お母さんにできることは、息子さんを認める温かい声がけと、励ましです。あとは、本人自身の取り戻す力を信じ、祈ってください。

 

目標を遠くに置く

息子さんご本人には、「自分が持っている才能のなかで、可能性のあるものを少しずつ勉強する」ことをおすすめします。これまで目先の成果に向かって走ってきたので、今度は、なるべく遠くを見るのです。10年後、20年後、30年後に、自分がなりたい姿をイメージします。ヒントは、興味・関心のあるもの。つまり、自分の強みをもう一度探究し、「心から好きなことを少しずつやってみる」のです。GWなどに、ゆっくり感じ取ってみてください。

また、今後は、考え方の転換が必要です。受験は期間限定の勝負ですが、人生は長いマラソンです。今回のバーンアウトは、「短距離走型から、長距離走型へと考え方を変えていきなさい」というメッセージかもしれません。

私も若いころ、完全な短距離走タイプでした。実際に陸上部で短距離走の選手でしたが(笑)、人生も同じで、何かをやり遂げようと全力投球しているときは力いっぱいやるのですが、限界までやって、力尽きてしまうのです。でも、百メートル走で百メートルを全力で走ってゴールラインを越えたところで、もし、「もう一回走りますよ」と言われたら、急に困ってしまうでしょう。「才能はある」と思われているのに、その後、消えてしまう人がいる理由は、ここにあります。

遠くを見ていると、一つ達成したあとも継続して努力できます。そして、「努力そのものがうれしい!」という「努力即幸福」が分かってくるのです。息子さんは人生の大事な転換点にいるような気がします。ぜひお母さんが、輝く未来をイメージしてみてください! もう、大丈夫!!

 
(「Are You Happy?」2019年6月号)

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竜の口法子 

幸福の科学学園 那須本校 校長

1969年静岡県生まれ。文教大学文学部卒業。幸福の科学学園・那須本校の校長。中高時代は陸上部に所属。最近はエアロバイクにハマっています。

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