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おばさんを探せ

見た目年齢はなぜ違う?

ホテルのティールームで中年女性5人が、話に夢中になっています。同窓会からの流れでここに来たようです。いつも以上におしゃれをしたらしいグループの中で、一人だけ化粧っ気のない女性がいました。一束にまとめた髪がサッパリとした印象です。
「昨日、引っ越しだったのよ。大きいダイヤでもつけられたら、この格好でも、もうちょっと様になったかもね」
そう言いながら、彼女が腕を上げて大きく伸びをすると、二重顎、ほうれい線、姿勢も一緒に伸びました。彼女が一番若々しく見えます。
一方、最もおばさん風に見えたのは、前日に美容院に行ったという女性でした。手間をかけたメークがかえって老いをあぶり出しています。その様子を見ていたら、女優の赤木春江さんの言葉が思い出されました。

隠したつもりに注意

赤木さんは、おばさん役を得意としています。
「欠点を完璧に隠したものより、隠し気味にしたほうが一段とおばさん風になるのよ」
女優にとっておばさん役をそれらしく演じるのは、案外難しいものです。
「どう、この着方、おばさんらしいでしょ。お腹の出ているとこ、バストの下がっているとこ、お尻の下がっているところをちょっとだけ隠したのよ」
メークもシミやシワを隠そうとファンデーションを厚塗りにすると、かえって老けた印象になります。同窓会での彼女のように、シミやシワを思い切って見せてしまうほうが、人には若々しく映るものです。
体型の変化に目をつぶり(まだ大丈夫)と古い服を着てしまう人がいます。ちょっとだけ隠したつもりが、動いたときに見える生地のツレや光沢、張りが中年太りのイメージとなって現れるのです。ブラウス、ジャケット、タイトスカートなどは、身幅に余裕を持たせるように繕い直せば、おばさん風はほぼ解消されます。 
映像の世界では、衣装を着回すのは当たり前ですが、こんな少しのことを、というくらい丁寧に袖やウエスト、スカートの幅、丈を伸ばしたり縮めたりしています。女優にとってフィット感のきれいに出るものや、程よいゆとりは、おばさん化予防の大切なひと手間です。

おばさんの動きの特徴

さて、おばさんに見えるか否かは、立ち振る舞いも大きく関係しています。女優の宮本信子さんと、おばさんの特徴を観察するために街へと向かいました。テレビドラマで演じる役が上手くいっていなかったのです。渋谷駅からスタジオへ向かうバスに乗車中、中年女性が乗ってくるのが見えると、宮本さんが私の腕をつつきました。女性は椅子の手すりをつかみ、体を座席に引っ張り寄せると、最後にどしんと尻を落としました。
その後に乗ってきた大学生風の女性は脚、腰の筋肉を使いゆっくり座りました。全身が同時に動いている印象です。
しばらくすると、先ほどのおばさんが膝を開きました。降車するのでしょう。立ち上がる準備です。前の座席をつかみ、体を引き上げますが、座席の上にもぞもぞした尻が残っています。宮本さんがつぶやきました。
「おばさんは、尻が残るのね」
その後の撮影で、彼女は三味線を弾き終わると、正座から片腕をつき、座布団の上の両足をずらして片膝を立てると最後にお尻を持ち上げました。「ヨイショ」と声が聞こえてくるようです。おばさんを演じ切っていました。腰から先に行動するのは若者で、手足から動き尻が残るとおばさんに見えてきます。
そのほかにも、話すときに前かがみで顎を出す、背中を丸めて両肩を前に出すなどすると、おばさん風の印象になります。あなたの中に、おばさんの要素はありませんか? 鏡の中で観察してみてください。

ふっくら ゆったりは 長所でもあります© K’s color atelier

今月のレッスン
腰から体を移動させましょう。

 (「Are You Happy?」2023年7月号)

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