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3、4、5歳は、できることが どんどん増えていきます!〔子育て110番〕

Aちゃんの挑戦

昨日までできなかったことができるようになる。できることがどんどん増えていく。それは、子供にとって大きな喜びです。
エンゼルプランVの夏祭りのときのことですが、私は入り口でウェルカムドリンクの係をしていました。数種類の2リットルペットボトルを氷水で冷やし、来場者には紙コップに注いで提供します。そこに、年長クラスのAちゃんがやってきました。「どのジュースがいい?」と尋ねると、「自分で入れてもいい?」と聞いてきたので「いいよ」と言って希望のジュースのボトルを渡しました。
すると、Aちゃんのお顔が少し緊張しました。「重い」と感じた様子です。私は、紙コップをそばにあった座卓の上に置きました。子供が重い液体を注ぐときは、液体を目線より低い位置、できれば胸かお腹辺りで構えて注いだ方が、左右の手の力の加減がしやすいからです。Aちゃんは、自分でふたを開けて緊張の面持ちでゆっくりペットボトルを傾けました。隣では、ママがもっと緊張した顔で見ています。半分ほど注いだAちゃんは、大仕事を終えたときのように「はあっ」と息をついて私にペットボトルを返し、満足そうにほほえみました。
ジュースは、別にこぼれてもよかったんです。こぼれたら、今度は成功するコツを教えてあげて、もう一度挑戦させてあげればいいのです。大事なのは、やらせてみてあげること。そして、場数を踏ませてあげること。何でも最初は勇気がいるし、失敗はつきものです。でも回数を重ねれば、子供なりに工夫もするし、上手にもなります。

ハンカチ畳み

3歳の年少クラスで、60センチ四方のシフォンスカーフを使って遊んだあと、「それでは床にスカーフを広げて、折り紙を半分に折るように、半分に畳みます」「次は、短い方の端っこを両手で持って、もう半分に畳みます」「もう一度半分に畳みます」「もう一度半分に畳みます」「できたら先生の所に持ってきてください」と、子供のスピードに合わせてゆっくり導くと、少し形を崩しながらも、みんな楽しそうに持ってきました。「これができたということは、みんなはもうおうちでハンカチ畳みのお手伝いができますよ♪」と言うと、ママたちが「ああ、できるんだ」と驚きました。

パラ・アスリートのご両親の名言

東京オリンピック・パラリンピックの出場を目指していた、あるパラ・アスリートの女性が、テレビで子供の頃のエピソードを話していました。彼女は生まれつき右腕の肘から先がありません。小学校に上がって、みんなが紐シューズを履き始めると、自分も履きたくなり、それをご両親に話すと、「紐を自分で結ぶためには練習が必要よ。待ってあげるから、頑張りなさい」と言ってくれたそうです。やがて彼女は、強豪校のハンドボール部に入り、1年かけて左手と短い右腕でボールをキャッチする方法を編み出し、レギュラーとして活躍しました。
子供が3歳を過ぎたら、背中を押してあげる愛も大事です。「大変だからやってあげる」ではなく、「待ってあげるから、頑張りなさい」と言えるよう、親も成長していきたいですね。

(「Are You Happy?」2019年11月号)

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奥田敬子 

早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。

 

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