総本山・那須精舎の境内という環境を活かして、創造性を育む教育を行う全寮制の中高一貫校、幸福の科学学園 那須本校。
竜の口法子校長にお話を聞きました。
栃木県私学の唯一の女性校長
2012年から幸福の科学学園で教育に携わり、今年4月に那須本校の校長に就任した竜の口法子さん。校長になってすぐ、驚いたことがあった。
「4月に、栃木県の私立高校の校長会に参加したのですが、校長先生から事務局のスタッフまで全員が男性だったんです。女性校長は私ひとり。黒いスーツの光景に、思わず『おお!』とのけぞりました(笑)。でも、校長会の会長である作新学院の船田元学院長が『栃木県の校長先生は親切な方ばかりですからね』と声をかけてくださり、安心しました。それから半年、先輩校長の皆さまに助けられながら、とても楽しくやらせていただいています。校長に就任したときにはプレッシャーもありましたが、幸福の科学に出家してから25年間の集大成を教育事業に捧げようと決意したんです。幸福の科学学園は今年で開校10年目を迎えますが、10年の間に創立者・大川隆法総裁から多くの教育ソフトをいただいています。私がすべきことは、大川総裁の理念をそのまま真っすぐに生徒たちに伝えることです」
10年の交流が実を結ぶ
那須本校では今、開校から10年間の積み重ねが次々と成果となって花開いているそう。
「8月に近隣の黒磯高校の加藤正樹(かとうまさき)校長先生が学園を見に来てくださり、教室や記念講堂、カフェテリア、寮も全部ご案内しました。そこから交流が深まっていき、加藤校長が私を紹介してくださったことで、長年10校だけで構成されていた那須地区の校長会に幸福の科学学園も入れていただけることになったんです。また今年8月、那須町の平山幸宏(ひらやまゆきひろ)町長からご推薦いただき、私は2022年の『とちぎ国体』の実行委員に就任しました。学園生たちもぜひボランティアで参加させたいですし、わが校の生徒なら全国から集まった国体選手たちの前に出しても恥ずかしくありません。2014年4月、世界大会で優勝したチアダンス部とともに、大田原市の津久井富雄(つくいとみお)市長を訪問しました。すると『こんなに素晴らしい部活があるなら、2日後のイベントで踊ってくれませんか』と、急遽2万人が集まる与一(よいち)祭りでチアダンスを披露することになったんです。お祭りはテレビでも報道され、多くの人に幸福の科学学園を知っていただく機会になりました。他にも那須町 伊王野(いおうの)で行われているお祭りでは、生徒たちが毎年御神輿を引いています。お祭りの担当者である丸田(まるた)省二(しょうじ)さんは学園生を気に入ってくれ、今年はなんと学園用の法被(はっぴ)まで作ってくださったんです。交流が積み重なり、地域に根差しながら学園は発展してこられたと感じています」
地域に広がる幸福の科学学園の教育
2019年度から、学習指導要領の改訂によって「総合的な学習44の時間」が「総合的な探究44の時間」に変更されることになった。幸福の科学学園ではいち早く、授業に「探究」を取り入れており、注目が集まっているという。
「探究という授業では、どこの学校でも『探究とは何をしたらいいのか』と悩んでいます。しかし幸福の科学学園では、開校以来、『探究創造科』という授業を続けており、生徒たちが自主的にひとつのテーマを探究し、大勢の前でプレゼンテーションしているんです。数年前、那須町教育委員会の平久井好一(ひらくいこういち)教育長がこの探究創造科の発表会を見に来てくださいました。生徒の発表を見て『これだ!』と思いつかれたそうで、それから毎年、那須町の小中学校の先生に『幸福の科学学園の探究創造科の発表会を見に行くように』と〝通達〞してくださるようになりました。今では近隣のいくつかの学校で、学園も参考にした探究の授業が行われています。また今年の2月には、平久井教育長主催で『プレゼンフェスティバルIN那須』が開催され、中高生が『那須町をどうやって発展させるか』をテーマにさまざまなプレゼンテーションを行いました。もちろん学園の生徒も参加して発表をしました。こうして今、学園を見本とした『新たな教育』が輸出されつつあるんです」
生徒たちの〝応援団長〞
校長として、竜の口さんが大切にしていることを聞いた。
「校長に就任したとき、まず自分が中高生のころの校長先生を思い出してみました。すると個人的に話をした記憶がまったくなく、『式典に出てきて話す人』というイメージだったんです(笑)。私はそうではなく、生徒と個別の思い出をつくりたいと思っています。校長になっても、私は生徒と同じ女子寮に住み、朝から晩まで生徒の声が聞こえるところで生活しています。時々、夜に寮の廊下でおしゃべりが止まらない女子たちに『もっと静かに!』と注意します。そんなときは、『生徒の声はうるさいなあ』と思うのに、出張で外に泊まると、生徒たちのことが気になって、会いたくなって、そわそわしてしまう。これは、もう〝恋〞ですね(笑)。毎日一緒にいると、寮での生徒の雰囲気や、廊下ですれ違ったときの様子、息遣いから、ちょっとした異変に気づくこともあります。細かいところまでなるべく目を配り、愛情が伝わるよう、声をかけることを心がけています。そしてもちろん、この思いは生徒が卒業しても変わりません。校長になってみると、彼らが学園を去っても愛情が途切れることなどないんですね。卒業しても、私はずっとみんなの〝応援団長〞です(笑)」
未来に向け、新しい教育を発信し続ける幸福の科学学園。竜の口さんが校長として喜びを感じる瞬間は?
「生徒たちの成長を感じる瞬間です。中学校、高校の6年間は、体と心がもっとも成長する時期。生徒たちは常に変化し続け、同じ一日はありません。毎日が宝物のような時間だと感じます。中学生のころはやんちゃで叱られてばかりで心配した子が、高校生になって立派にリーダーを務めている別人のような姿を見ると、『教育には魔法のような力がある』と実感します。これからも『宗教と融合した教育』の素晴らしさを栃木県中、日本国中に広げていきたいです」
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