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子供をその気にさせるOKワード やる気がなえるNGワード〔子育て110番〕

あなたは、どのタイプ?

今日はわが子がめずらしく勉強しているなぁというとき、あなたなら、どんな言葉をかけますか?

A「あらめずらしい! 明日は雪でも降るのかしら」
B「急にどうしたの? 先生に何か言われちゃったの?」
C「よく頑張ってるわね。ジュースでも入れようか?」

さて、みなさんの言葉がけは、どれに近いですか?

私が中学生のころ、チクチクとイヤミなことを言う先生がいて、ある日、クラスのみんなが静かに自習をしていると、「明日はヤリでも降るんかな?」とおっしゃり、教室の空気がどんより重くなったのを覚えています。

Aは、子供のやる気をへこませる典型的なNGワードです。言外に「あなた、いつもちっとも勉強しないわよね。日頃からこのぐらい頑張ればいいのに」というイヤミが含まれていて、それが子供の心に刺さって、やる気の風船をパチンと割ってしまいます。相手が誰であれ、イヤミは良くありません。もしも「私はAのタイプだわ」というママがいらっしゃったら、「イヤミな言い方をしないママになろう!」と頑張ってみてください。
Bのママは、わが子が何か問題を起こさないか、先生や周囲の人に何か言われないか、どこかで不安に思っているのかもしれません。自分はBのタイプかもしれないと思うママは、ふうっと息を吐いて、肩の力を抜いて「もっとおおらかな心で、人を信じてみよう。わが子を信じてみよう。未来を信じてみよう」と自分に言い聞かせてみてください。
Cは、子供のやる気がアップする言葉がけです。特別なテクニックやひねりはいりません。美辞麗句もいりません。頑張っているわが子を、シンプルに、ストレートにほめるのがいちばんです。

ほめ上手なママをめざして

子供が今まさに勉強中なら、「よく頑張っているね」と言葉をかけましょう。ワークを1ページ終えたのなら「最後まで頑張ったの? えらいね」とほめましょう。スピードがはやい子には「はやく解けるようになったね」、ゆっくりな子には「ていねいに頑張っているね」、問題が分からず困っている子には「ママが3年生の時より難しい問題を解いているのね。すごいすごい。頑張れ」と励ましてあげましょう。
子供は、ほめられた方向に伸びていきます。ほめられると、「そっちに伸びていくのが、正しい方向なんだな」と分かるからです。

子供がテストで良い点をとって帰ってきたときは、頭をなでて「すごいね!」「よく頑張ったね!」「頭イイ!」「ママはあまりできなかったよ!」と、ただただほめてあげましょう。

この場合のNGワードは、「いつもこのぐらい頑張りなさい!」「次はもっといい点取るのよ!」です。シンプルにほめられた場合は、人は自然と「次も頑張ろう!」と思えるものです。しかし、わざわざ「次も頑張りなさいよ」と言われると、「このぐらいではまだママは満足していないわよ」と言われているようで、今回頑張った価値が、相対的に下がったように感じるからです。
どうかOKワードをたくさん身につけて、ほめ上手なママを目指しましょう。

(「Are You Happy?」2018年9月号)

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