tatsunokuchi-yell

専門学校に行くのはもったいないのでしょうか。【竜の口法子 校長の熱烈エール もう大丈夫!】

〔お悩み〕
高校の進路で悩んでいます。ほとんどの友人が普通科に進学するのですが、僕はあまり興味がなく、社会に出て役立つことが学べる専門学校に行きたいと考えています。しかし、親や学校の先生に相談すると「あなたの成績で専門学校に行くのは選択肢が狭くなってもったいない」と言われてしまいます。高校から専門学校に行くというのは本当にもったいないのでしょうか。(中学2年生/男子)

進路を決める基準は、「将来の夢」と「志の強さ」

進路を考える上で一番大事なことは、あなた自身の「将来の夢」や「志の強さ」です。中学卒業後に、すぐに進学できる専門学校は全国にありますので、「自分の将来の方向性がはっきりしていて、職業に直結する実践的なスキルを身に付けたい」という思いが明確にあるのであれば、そうした専門学校に進学することも可能だと思います。「周りの方々のアドバイスを聞いても、自分の気持ちは変わらない」という場合は、親や学校の先生に説明して話し合うことで、きっとあなたの気持ちを理解してもらえるでしょう。

「選択肢が狭くなる」と心配する理由

ただ、親御さんや学校の先生が、「選択肢が狭くなってしまうのではないか」と心配されているお気持ちは、よく理解できます。

私が校長をする中高一貫校では、中学2年生になると、志を全員に語ってもらう「立志式(りっししき)」というものを行っています。そのときに、将来の方向性をはっきりと言葉にする生徒もいるのですが、その子が高校生になると、なりたい職業や夢が変化しているという例をたくさん見てきました。もちろん、変わらない子もいますが、多くの子たちは、中学生では職業選択まではっきりと決まっていません。そうしたことを知っている親や先生からすると、あなたももしかしたら、知識や経験が増えて社会をより広く知るようになると、他にやりたいことが出てくるかもしれないと思って、「選択肢が狭くなってしまう」と心配しているのです。

高校の勉強は中学より高度ですが、きちんと勉強すると、将来役立つ知識や教養が身に付き、結果、あなたの「選択肢」が広がります。中学卒業後に、職業に必要な能力を身に付けるための専門学校に行くこともできますが、もし将来の夢が明確に固まっていないのであれば、どんな将来の方向性であっても対応できる高校進学を視野にいれても良いのではないかと思います。大学へ進学したくなったときにも対応できますし、高校卒業時に、今あなたが考えている専門学校を選択することもできるのです。

行きたい学校には足を運んでみる

コロナ禍でオープンキャンパスが中止になるなど、学校見学がしづらくなってはいますが、行きたい学校が見つかったときは、できる限り実際に足を運んで見学することをおすすめします。キャンパスを歩いてみると、「自分に合っている、合っていない」など、学校の波動や雰囲気を感じるものです。

中学生で一度、進路選択という将来や人生を考える機会があることは、とてもありがたいことです。この機会に夢を考え、志を立ててみてください。もう大丈夫!!

(「Are You Happy?」2022年5月号)

印刷する

連載