冷えとりドクター直伝 干し野菜でつくる冷えとりレシピ

うまみも栄養価もアップ!
お家で簡単にできる 干し野菜づくりにトライ!

 
【用意する道具】
ザル、または干し野菜ネット

 
【干し野菜の基本的な作り方】
❶野菜を洗って適当な大きさに切る(上の写真参照)。
❷ザルまたは干し野菜ネットに、野菜同士が重なり合わないように置く。
❸野菜を干す(上の写真参照)。
※湿気の多い梅雨の時期はカビが発生するので、干し野菜づくりには適していません。

★干し加減のめやす
干し野菜には、干し加減の違う「セミドライ」と「ドライ」の2種類があり、食感や保存期間が変わります。いろいろ試して、お好みを見つけましょう。

 <セミドライ>
2~3時間ほど干す(お好みで時間を変えても)。そのまま料理に使うことができ、保存方法は生野菜と同じ。

 <ドライ>
太陽が出ているときに干し、日が沈む前に取り込む。ときどき上下を裏返しながら3~4日ほどくり返す。水で戻して調理する。保存袋などに入れ、冷蔵庫で3日~1週間ほど保存可能。

 

冷えとりコラム

体を温めて、吸収率もアップ

暦の上ではすでに春ですが、まだまだブームが続く「冷えとり」。私の診療所でも、くつ下の重ね履きや半身浴、足湯など「頭寒足熱」の考えを元にした冷えとり療法をすすめています。
体温が下がると免疫力も低下して病気の原因になるため、体温を上げることはとても大切です。外側からの冷えとりと同時に、私が診療所で患者さまにおすすめしているのは、玄米や野菜、海藻や豆類を中心にした、内側から体をあたためる「玄米菜食」です。体温を上げれば、栄養素の吸収率も高まり、体の機能も回復させることができます。

野菜を干して太陽パワーをとり入れる

ポイントは、「干し野菜」を使うこと。食物の成長をつかさどる「太陽のエネルギー」が、冷えとりに効果を発揮します。自宅のベランダや庭先に野菜を数時間干すだけで、太陽のエネルギーがとり入れられ、食材の栄養価やうまみがアップ。滋味深い味わいの“パワー食材”ができ上がるのです。干し野菜は、干すときに切っているため、料理時間の短縮にもなります。診療所でも干し野菜を使った食事をお出ししています。

根菜・海藻のあたため力

ニンジンや大根、レンコンなどの根菜や、海藻などの体をあたためる「陽性食材」もおすすめです。それらの食物は太陽を背にして、土や水の中に向かって進み、ずんずんと大きくなっていくため、そのぶんパワーがあるといわれています。なかでも、北海道の極寒の海という厳しい環境を耐え抜いて育った「利尻昆布」や「羅臼昆布」は、究極の“体あたため食材”です。

冷えとりを実践するうちに、「アトピーが改善された」「うつ病が治った」「しみ、しわが消えた」などといった声も届いています。まだまだ寒さが続く季節、食事と「頭寒足熱」による冷えとりで乗り切りましょう。

干し野菜の具だくさんみそ汁

【材料】5~6人分
ニンジン…1/2本
大根…10cm分
ごぼう…1/2本
えのき…1/2束
かぶ…1個
玉ネギ…1個
じゃがいも…2個
ショウガ…ひとかけ
ネギ…適量
水…600~700ml
だし昆布(昆布を小さく刻んだものでも)…ひとつかみ
麦みそ…おたま1杯

【作り方】
<干し野菜づくり>
ニンジン、大根は乱切り、かぶは8等分に切る。ごぼうは小さめのささがきにし、10分ほど水にさらす。えのきは軸をとっておく。野菜の水気をふきとり、重ならないようにザルにのせ、2~3時間ほど天日に干しておく。
❶玉ネギは皮をむいてくし切り、じゃがいもは皮をむいて芽を取り、ひと口大に切る。ショウガはすりおろし、ネギはみじん切りにする。えのきは5cm幅に切る。
❷鍋に水、だし昆布を入れる。中火にかけ、ニンジン、大根、かぶ、ごぼう、玉ネギ、じゃがいもを加え、フタをして20~25分、素材がやわらかくなるまで煮る。
❸えのきを加えてフタをして2~3分煮たら、麦みそを溶き入れる。
❹器に盛り、ショウガ、ネギをお好みでトッピング。

(「Are You Happy?」2013年4月号)

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武永慶子 

武永診療所院長

大学卒業後、渡独。バイエルン州立ミュン ヘン大学医学部卒業の後、中国にて東洋医学を学ぶ。現在、 築地にて武永診療所を営み、「冷え取り診療」を行っている。