ペットを飼う人なら、一度は動物と心が通じた瞬間を経験したことがあるかもしれません。人と生き物の「心」のつながりについて考えてみます。
2014年、アメリカで猛犬に襲われている飼い主の少年を身を挺して守った猫タラのニュースが話題になりました。“忠猫”タラの勇敢さは全世界で感動を呼び、一躍有名猫に。猫や犬に限らず、飼い主と心を通わせるペットが、愛情深い行動を取ってくれることはよくあります。また、「子供の亡骸を背負い続けるチンパンジーの親」や「仲間の死体から離れないゾウ」など、「死を悼む動物」の例も多数報告されています。
こうした生き物の行動を人の感情に当てはめて見ることは、動物行動学ではタブーとされていました。しかし近年では、今まで考えられていた以上に、生き物は複雑な感情を持っているという見方が強まっています。人に愛情を示し、仲間の死を悲しむ生き物たち。そこに「心」や「魂」を感じるのは、不思議なことではないでしょう。
ペットと心が通じたぷちエピソード
悲しみに寄り添ってくれる犬
わが家の犬は、普段は抱っこが苦手で、すぐに逃げてしまいます。でも私が落ち込んでいるときは、隣に来てそっと寄り添ってくれるんです。そんな姿にいつも元気をもらっています。(千葉県・しろさん)
私にだけ懐いた青虫
アゲハチョウの幼虫を飼っていたことがあります。最初は手に乗せると、角を出して威嚇してきたのですが、毎日名前を呼んで頭をなでてあげていると、私にだけは角を出さなくなりました。顔を覚えてくれたのかな?(東京都・デグーさん)
目の見えない金魚と築いた絆
小学生のころ、学校の水槽で他の金魚にいじめられていた盲目の金魚を引き取って育てていました。他の家族には無反応でしたが、私が水槽を指でつつくと、いつも寄ってきてくれました。(東京都・ヒトデさん)
どこにでもついてくる過保護な猫
小さいころ飼っていた猫は、私を自分の子のように思っていたようです。外に遊びに行くと必ずついてきて、帰るまでじっと待っていました。時々、捕まえた鳥をプレゼントしてくれるのには困りました……。(長崎県・むっちゃんさん)
(「Are You Happy?」2019年10月号)