〔お悩み〕
来年に大学受験を控えている高校2年生の息子ですが、成績が伸び悩み、好きな部活動を辞めるかどうかで悩んでいます。部活動は朝練や休日の練習もあるため、このままでは勉強時間を十分に確保できないと言っています。ただ、今まで頑張っていた部活動を途中で辞めてしまうのは、もったいないとも言っています。親としては受験と部活動の兼ね合いを、どのように応援してあげればよいでしょうか。(44 歳/神奈川県)
個別の状況に合わせて見極める
この質問に対する答えは、それぞれのケースで異なるので、学校で相談を受けた場合は、個別対応をしています。例えば、医学部や難関大学を目指していて、今から相当な勉強量が必要になる場合は、部活を辞めなくてはならないでしょう。一方、志望校の合格点を考えると、両立できる場合もあります。また、部活動を通しての学びが大きく、大学入学後も活かせる場合は、「高校3年生の春まで」など、引退時期を前もって設定して続ける選択肢もあるでしょう。
私が校長を務める高校でも、ある生徒は夢を叶えるために、自分の学力よりかなりレベルが高い大学を志望し、部活動を途中で辞めました。その生徒は受験に集中し、見事合格しました。また、高校3年生の最後の大会まで部活動を続け、引退後に受験に集中して、見事難関大学に合格した生徒もいます。
受験は人生で初めての締め切りのある戦い
受験は、「締め切りのある戦い」です。一定の時間内で成果を上げなくてはなりません。受験を通して、人生で初めて締め切りのある「仕事型」の訓練をしているとも言えるでしょう。ですので、息子さんが志望校に合格するために必要な学力と、現状の本人の学力を見極めて判断する必要があります。そして、残された時間から逆算したときに、「どのような勉強スケジュールを立てるといいのか」「どのようにしたら目標に近づくのか」ということを、お子さんと一緒に考えてみてください。このときに、受験の先にある将来の夢を抱いたり、志を持つことができると、勉強のエネルギーになるでしょう。
一番の無駄は本業のなかにあるもの
お子さんは、部活動が好きということですので、両立したいと考えている場合の参考としてお答えすると、前号でも述べた秘訣があります。それは、「授業時間を無駄にしない」ということです。学園の創立者でもある大川隆法総裁が「一番の無駄は本業にあり」と仰っているとおり、必要だと思っている仕事のなかにこそ無駄があるものです。この教訓を学生に当てはめると、授業時間や夜の学習時間に無駄があると言えるでしょう。
息子さんも部活を辞める前に、まずは、「授業で習うことは授業で吸収しきる。自分の頭で考えても分からないところがあれば質問し、分からないことを持ち越さない」という心構えで学校の授業に臨んでみてはいかがでしょうか。授業時間に集中することで、残りの時間を有意義に使うこともできるでしょう。
ぜひ、受験の機会に、時間管理術や、集中力増強法をマスターし、その後の人生の成功にもつなげていきましょう! もう大丈夫‼
(「Are You Happy?」2021年2月号)