〔パンダの聖地・上野ルポ〕人を熱狂させるパワー
9月7日、朝。快晴――。今日はパンダの人気の秘密を探るため、上野動物園にやってきた。門の前に着くと、そこには新聞紙を敷いて待つ人、人、人。平日のはずなのに、パンダグッズを身につけた人たちがニコニコと大行列をつくり、パンダ人気に曜日は関係ないことを思い知らされる。
「立ち止まらないでお進みくださーい!」
パンダ舎では、密を避けるため、歩きながらの観覧を呼びかけている。ガラスの向こうに、ちょこんと座って笹を食べるシャンシャンの後ろ姿が見えたのも束の間、あっという間に見えなくなってしまった。体感およそ15秒。
まるで動くぬいぐるみのようなかわいさに、「今度は正面から見たい!」と、心のなかで叫んだ。
すぐに最後尾に並び直すと、そこにはすでに、40代から60代の女性たちがずらり。その後は彼女たちと一緒に、一周100メートルはあろうかという、パンダ舎の周りをぐるぐる回りながら、体感15秒のシャンシャンとの対面をくり返す。気がつけば3時間が経ち、足が悲鳴を上げていた。パンダを愛でるには、体力も必要らしい。
人はパンダを見ると、あまりのかわいさにまず「わあ!」と声を上げる。これは想定の範囲内だが、パンダファンたちは手を振って呼びかける。さながら授業参観のようで、少しギョッとした。しかし、10周目だったか、シャンシャンと目が合いそうになった瞬間、思
わず手を振っている自分がいた……。
なぜ、これほどまでにパンダは人を惹きつけるのか。
「シャンシャンは特別よ。こんなに美人なパンダはいないわ」(週2日で上野動物園に通う女性)
「かわいいのにお転婆っていうギャップも魅力。次に何をするか分からないから、また見たくなる」(パンダのために年間パスポートを購入した男性)
「見てると自然に笑顔になれるし、とにかく癒やされるのよ」(パンダファン歴4年の女性)
パンダには、他のものでは代えられない、特別なエネルギーのようなものがあるのかもしれない。
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