子供の非行の低年齢化が叫ばれる昨今。どうすれば子供は更生するの? 子供の非行に悩み、乗り越えたお母さんたちの本音トークです。
メンバー
Aさん 52歳・3児の母
Bさん 53歳・3児の母
Cさん 49歳・4児の母
母子家庭の寂しさから荒れて不登校になった三女
B Aさんのところは、いつごろから荒れだしたの?
A 三女が高1のとき、だんだん言葉遣いが悪くなって、物を投げたり、怒鳴ったり、いつも家に友達を呼んで、騒ぐようになったの。なんとかコミュニケーションを取ろうと、毎日お弁当に、「いつもママがいなくてごめんね」とか、面と向かっては言えない本音を書いた手紙を入れたんだけど、一切反応はなくて、そうこうするうちに、学校に行かなくなってしまって。
B 不登校の原因は何だったの?
A 先生と相性が悪かったのもあるけど、根底には母子家庭の寂しさがあったみたい。ある朝、思い切って、「いいかげんにしなさい!」って布団を剥ぎ取ったのよ。それで、「もう、学校に行かなくていい! 私も仕事辞めるわ。お姉ちゃんたちも学校をやめて、家族みんなで一緒にいよう。一緒にいたいんでしょ?」と言ったの。長女と次女も事の重大さを理解して、支度を止めて。
C 三女さんの反応は?
A 下を向いて何もしゃべらない。そしたら長女が、「大丈夫。お姉ちゃんもお母さんもあなたのことだけを思ってるから、心配ないよ」って優しく話し始めて。私はいないほうがいいと思って、聞こえないふりをして、料理を始めたんだけど。そしたら、三女が泣きながら自分の気持ちを語り始めて。私は、「寂しかったんだなぁ。どうして気持ちを聞いてやれなかったんだろう」って、すごく反省して、涙が溢れてね……。
B 本音を打ち明けてもらえて、よかったね。
A 私が大変なのをわかってるから、子供たちは我慢していたんだと思う。私も「生活するためには働かなきゃいけないから、家族の時間を取れなくても仕方ない」と思ってた。でもその気持ちが、子供を追い詰めていたのよね。
C 娘さんの異変は、「お母さんと一緒にいたい」「お母さんに気付いてほしい」っていう必死の訴えだったんですかね。
A そうだと思う。それから三女は穏やかになって、たくさん会話するわけじゃないけど、気持ちが通じている感覚になって。結局、高校は中退したんだけど、今では家族の中で一番たくましいのよ。ふたりの子供をしっかり育てて、私ができなかった母親らしいことを、ちゃんとしてあげてる。華やかに七五三の撮影をしたり、子供が喜ぶキャラ弁を毎日作ったり。
B 自分がしてもらえなかったことを、子供にしてあげることで、癒されているのかもしれないね。
A そうだと思うわ。
問題を起こした理由は勉強のストレスから
C Bさんはどうですか?
B 私はAさんとは逆パターンで、専業主婦で何不自由なく、愛情をかけて育ててきたつもりだった。長男はすんなり成長したんだけど、長女が羽目を外す子で。何度学校に呼び出されたか……。
C そうだったんですね。
B 長女は伸び伸びした性格で、勉強はそんなに好きじゃなかったけど、長男と同じ進学校に進んだのよ。「勉強の優劣で決まる」ような価値観に、ストレスを感じたのか、中3からだんだん荒れ始めて。校則が厳しいのに髪を染めたり、スカートを短くしたり、タバコを吸ったり……。頭のいい子は隠すのも上手なんだけど、うちの子は嘘がつけず、全部バレて。
A 素直な子なんじゃない?
B よく言えばね(苦笑)。そのころ幸福の科学の支部長に相談したの。そしたら、「学校に謝罪するだけでは駄目ですよ。正統な抗議はしたほうがいい」と指摘されて。考えてみれば、先生は勉強ができる子には怒らず、勉強ができない子にはすごく怒る。「全部娘が悪い」みたいに言って。生徒に「お前ら死ね」と言ったり、とにかく言葉遣いが悪かったの。
それで、次に呼び出されたときに、先生に「確かにうちの子も悪い点はあります。でも、先生が、家では使わないような荒い言葉を使ったり、娘を全否定するのはおかしいです」とはっきり伝えたの。娘は泣いて止めてきたけど、やっぱりうれしかったみたい。
C 自分のために、親が正々堂々と意見を言ってくれるのはうれしいですよ。
B その後、停学にもなったけど、もう私はそんなに悩まなくて。
A 娘さんとわかり合えた?
B 最初に学校に呼び出されたときはショックだったけど、幸福の科学では、「一人ひとりに仏と同じ性質を持つ〝仏性”が宿っている」と教えられているから、「必ず良くなる」と信じようと決めて。1年ぐらいかかったけど、何が起きても受け入れられるようになってね。「娘にとって一番いい道が開けるのを待とう」と思い続けて。
C 心の底で信じてあげる気持ちって、子供に伝わるんですよね。
B 大学受験のころにはだいぶ落ち着いて、「一人暮らしをしたら、お母さんのありがたみがよくわかった」と言ってたわ。
C 親元を離れて初めて、恵まれていたことに気づくんですね。