おなかの中の赤ちゃんとの幸せコミュニケーション術

小児科医として、早産で生まれた未熟児の処置を行う新生児医療にも携わっているお医者様に赤ちゃんとコミュニケーションを取るにはどうしたらいいか教えていただきました。

早産で生まれた子の処置を行うNICU(新生児集中治療室)で未熟児を見ていると、その能力に驚かされます。500グラムの未熟児でも、お母さんが毎日決まった面会時間に来ていると、その少し前の時間に目を覚まして待つようになるのです。面会中はずっと起きていてお母さんの顔を見つめますし、話しかけると声に反応します。おなかの中にいる赤ちゃんも、五感で外の環境を感じていることは医学的にも証明されています。さらに、さまざまな胎内記憶の事例によって、本能的な感覚以上のことを理解しているということも分かってきました。

新生児医療に携わるようになったのは、20年以上前に「素晴らしいお産とは何か」の研究会に参加したことがきっかけです。産婦人科の先生や助産師さんは「自然で母親に優しいお産」や「母子ともに安全なお産」などの意見を出していたのですが、私は「胎児から見た素晴らしいお産はどういうものだろう」と気になり、手を上げて質問しました。しかしその答えは「胎児はしゃべらないから分からないし、そういうことを考えるのは科学的ではない」でした。納得できず、悔しい思いをした私は、胎内記憶や出生前心理学について調べ始めました。そこで辿りついた「胎児から見た素晴らしいお産」の共通点は、「パパとママに愛され、祝福されているかどうか。自分が生まれることを喜んでもらえるか」ということだったのです。

何年か前に、病気で血液透析療法を受けている女性が入院してきました。透析中の出産は、母子ともに危険な状態になります。妊娠24週で生まれた赤ちゃんは、ママに抱かれながら生後73日で息を引き取りました。そんなつらい経験をしても彼女はあきらめず、2年後に元気な赤ちゃんを出産したのです。病気に耐えながら出産する彼女に「どうしてそんなにがんばるの?」と尋ねると、「最初の子を抱いたとき、悲しかったけれど『こんな私でも母親になれるんだ』と感じたんです。だからもう一度母親になりたかった」と答えました。ひとり目の子は、「あなたはママになれるよ」と伝えに来たのかもしれません。胎教でコミュニケーションを取ることは、赤ちゃんからのメッセージや愛情に応えることです。母子ともに幸せになれる胎教を次のページから一緒に考えていきましょう。

Q 胎教にはどんな効果がありますか?

A 母子の絆を深めて、心を豊かにします。
赤ちゃんが好む穏やかな音楽を聞かせたり、絵本を読み聞かせることは、子供に母親からの愛情を伝える手段になります。それによって、生まれる前から母子の絆を深め、赤ちゃんの心を豊かにする効果があります。おなかの中にいる赤ちゃんに、生まれてからの名前とは違う「胎名」をつけてあげると、呼びかけやすくなりますよ。また、お父さんや上の子供にも話しかけてもらうことで、家族全体の一体感も高まっていくでしょう。おなかにいるころによく話しかけてもらった子供は、生まれてから胎内記憶を話すことが多いとも言われています。逆に「バイリンガルに育てたいから英語を聞かせる」など、英才教育を目的とした胎教は、赤ちゃんの個性が分からない段階での効果は薄いかもしれません。教育効果を期待するのではなく、純粋に愛情を伝える行為だと考えましょう。

Q 何カ月から始めればいいですか?

A 4カ月~7カ月目に行うといいでしょう。

大川隆法総裁の書籍『じょうずな個性の伸ばし方』によると、赤ちゃんの魂は妊娠9週ごろに天上界からやってきて、体に宿るそうです。最初は大人の意識を持っていますが、少しずつ子供の意識に変化します。8カ月以降は、生まれる準備に入るために、おなかの中で魂は眠っているような状態に。4カ月〜7カ月ごろに胎教を行うと、もっとも効果が期待できるでしょう。

Q どんなことをすればいいですか?

A いちばん喜ぶのは、お母さんの語りかけです。
お母さんからの愛情を伝える行為であれば、音楽でも読み聞かせでもOKですが、何よりも赤ちゃんが喜ぶのは、お母さんからの語りかけです。おなかに手を当てて、話しかけてあげましょう。音楽を聞かせる場合、胎児はヴィヴァルディの「四季」など穏やかな曲を流すと大人しくなり、激しい曲調の音楽を聞かせると暴れることがあるそうです。おなかの赤ちゃんの様子に注目して、どんなことを喜んでいるのか感じてみましょう。

これもオススメ!

キックゲーム

胎動を感じるようになったら、赤ちゃんが蹴ったところをお母さんが軽く叩き返したり、お母さんから軽くおなかを叩いて蹴り返してくれるかどうかを見る「キックゲーム」もおすすめです。「イエスだったら1回キックしてね」と簡単な質問でコミュニケーションを取れることもあります。

上の子に通訳を頼む

上の子供がまだ小さければ、おなかの中の赤ちゃんとコミュニケーションが取れる場合も。通訳を頼むと、お兄ちゃん、お姉ちゃんとしての自覚を育むこともできます。

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