今のうちに知っておきたい 介護基本のキ

「親が倒れた!」「最近、親の言動がおかしい……」―。介護は突然始まります。そんなとき、慌てずにすむように、介護制度の基本をおさえておきましょう。

Q 家族に介護が必要に……。どこに相談に行けばいいの?

①まずは、最寄りの地域包括支援センターへ。
地域包括支援センターには、保健師や社会福祉士、主任ケアマネージャーなどが配置されており、高齢者とその家族に関することは何でも相談できます。

②要介護度の認定を受けましょう。
介護保険のサービスを利用するには、「要介護度」の認定を受けなければいけません。

要介護認定を受けるまでの流れ
(約1カ月間)
申請 市区町村の窓口に申請書を提出

認定調査 調査員が利用者宅を訪問し、心身の状況を調査

審査判定 コンピュータと介護認定審査会による判定

認定 認定結果通知と介護保険証が送られてくる

申請に必要なもの

・ 申請書
市区町村の窓口で入手、またはホームページからダウンロード

・ 介護保険被保険者証
65歳以下の人は「医療保険の被保険者証」

・ 主治医意見書
主治医がいない人は、市区町村指定の医師の診察を受けに行き、申請書に医師の名前、病院名などを記入。

・ 申請書
市区町村の窓口で入手、またはホームページからダウンロード

・ 介護保険被保険者証
65歳以下の人は「医療保険の被保険者証」

・ 主治医意見書
主治医がいない人は、市区町村指定の医師の診察を受けに行き、申請書に医師の名前、病院名などを記入。

Q どういう介護サービスが受けられるの?

A. 要介護度と、本人と家族の希望に応じてケアマネージャー(ケアマネ)がケアプランを提案します。
要介護の認定を受けると、その要介護度に応じて、介護保険のサービスの支給限度額が決まります。それらと本人・家族の希望に合わせて、「いつ、どこで、どんなサービスを受けるか」の計画(ケアプラン)をケアマネージャーが作成します。(「要支援」の場合、地域包括支援センターの職員がケアプランを作成)

要支援 1 ほぼ自立した生活ができるが、介護予防のための支援や改善が必要

要支援 2 日常生活に支援は必要だが、それによって介護予防できる可能性が高い

要介護 1 歩行などに不安定さがあり、日常生活に部分的な介護が必要

要介護 2 歩行などが不安定で、排せつや入浴などの一部または全部に介護が必要

要介護 3 歩行や排せつ、入浴、衣服の着脱などに、ほぼ全面的な介護が必要

要介護 4 日常生活全般に動作能力が低下しており、介護なしでの生活は困難

要介護 5 生活全般に介護が必要で、介護なしでは日常生活がほぼ不可能

ケアマネージャーとは?
訪問介護やデイサービスなどを行う事業者と本人・家族の仲介や利用料の管理を行う。また、サービスの実施状況や利用者の状況の把握のために、だいたい月に1回以上、利用者宅を訪問する。

ケアマネージャーの探し方
1 市区町村の介護保険課や地域包括支援センターで、ケアマネージャーが所属する「居宅介護支援事業所」のリストをもらう
2 いくつかの事業所に電話し、ケアマネを紹介してもらう
3 ケアマネに利用者宅に来てもらう
4 契約

ケアマネ Advice
居宅介護支援事業所を選ぶときは、何かあったときにすぐ駆け付けてもらえるように、できるだけ利用者の家の近くのところを選ぶといいと思います。私も、担当しているお宅は自転車で10分以内のところが多いです。ケアマネは決まったあとでも変更できます。相性が合わないという場合などは、遠慮しないで事業所の管理者に相談してくださいね。他の事業所に替えることも可能です。また、地域包括支援センターのケアマネが担当になることもあります。ケアマネが4、5人所属している事業所だと変更もスムーズです。

介護保険ではこれらのサービスが受けられます

地域密着型サービス(他の市区町村のサービス利用は原則不可)

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・ 認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)
・ 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
・ 夜間対応型訪問介護
・ 地域密着型通所介護
・ 小規模多機能型居宅介護
・ 看護小規模多機能型居宅介護

入居

・ 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
・ 介護老人保健施設(老人保健施設)
・ 介護医療院

訪問

・ 訪問介護(ホームヘルプ)
・ 訪問入浴介護
・ 訪問看護
・ 訪問リハビリテーション
・ 居宅療養管理指導

通所
・ 通所介護(デイサービス)
・ 通所リハビリテーション(デイケア)

宿泊
・ 短期入所生活介護(福祉施設へのショートステイ)
・ 短期入所療養介護(医療施設へのショートステイ)

その他
・ 福祉用具貸与 (レンタル)
・ 特定福祉用具販売(福祉用具購入費の支給)
・ 住宅改修費支給

ケアマネ Advice
教育系の企業が運営母体の施設は、社内で研修や制度を整えて、職員の質を上げようとしているところが多いです。見学や体験の際は、「入所者が楽しそうか」「職員のマナーがよいか」「職員の離職率が低いか」「マッサージやネイルケアなど、外部との交流が盛んか」「面会が自由か」をチェックするとよいでしょう。
通所介護施設は、さまざまな規模のものがあるので、体験をしてから決めるといいですよ。10人くらいの小さいところだとゆっくり過ごせますし、大きいところだとにぎやかです。認知症の方を対象にした施設(認知症デイサービス)もあります。ご希望に合った施設をケアマネが探して、ご提案します。

Q どのくらいお金がかかるの?

A. 自己負担は、1割の場合が多いです。要介護度ごとにサービスの金額に上限があり、サービス事業者への支払いは、原則、利用料の1割(地域によって多少異なる)で、限度額を超過した分は、全額自己負担になります。

利用限度額内で、下記のようなケアプランが立てられます

Q 仕事は辞めなければいけない?

A. 仕事を休める制度を活用しましょう。介護が始まると、通院の付き添いや各種手続きなどに手間や時間が取られます。そんなときに仕事を休める制度が「育児・介護休業法」で定められています。(利用には申請が必要)

介護休業 対象家族1人につき通算 93日まで 3回を上限として分割して取得できる。

介護休暇 対象家族 1人につき年5日まで
     対象家族 2人以上年10日まで
     介護休業や年次有給休暇とは別に、半日単位で取得することが可能。

所定労働時間の短縮等の措置 

短時間勤務
フレックスタイム
時差出勤
介護サービス費用の助成など

3年間で2回以上、利用可能。企業によって採用している制度は異なる。

所定外労働の制限 残業免除 介護終了まで利用可能。

Q 介護に疲れてしまわないためには?

介護疲れがたまる前に、気軽にショートステイを
心身の状態が限界に達する前に、丸一日、完全に介護から解放される時間をつくるために宿泊を伴うショートステイを利用してもいいでしょう。

ショートステイの利用料金の目安

1日あたり2,000円~6,000円

〈内訳〉
・ 介護サービス費用の利用者負担額
・ 居住費
・ 食費
・ 日常生活費

ケアマネ Advice
介護が始まると、仕事との両立が大変だったり、職場に迷惑がかかるからと、仕事を辞めるべきか悩むご家族の方も多いです。ただ、「仕事を辞めてでも介護をしよう」となると、どうしてもストレスがたまりますし、ご本人に厳しく当たったり、介護うつになったりしがちです。また、介護がその方の生活そのものになってしまって、ご本人がお亡くなりになったときに、心にも生活にもぽっかりと穴が空いてしまいます。企業の支援制度や介護サービスを上手に活用して、できれば仕事は続けてほしいなと思います。

Q 自宅での介護が難しくなったら?

条件や予算に合わせて高齢者向け住宅も
常時介護が必要になったり、1人あるいは夫婦だけで自宅に住み続けるのが難しくなったりしたときには、高齢者向けの住宅に入居するという選択肢もあります。現在、さまざまな種類の高齢者向け住宅があるので、いくつか見学に行くといいでしょう。*月額利用料と入居時費用は目安。

特別養護老人ホーム(特養)(「要介護3」以上 介護付き)
65歳以上で常時介護が必要で居宅での生活が困難な人が入所する。日常生活のサポートや介護が受けられる。
月額利用料 : 約8~15万円
入居時費用 : なし

ケアハウス(軽費老人ホーム)*介護型もあり
60歳以上で自立しているが、1人または夫婦だけでの生活は困難な人が入所する。日常生活のサポートが受けられる。
月額利用料 : 約8~20万円
入居時費用 : 0~数百万円

グループホーム(「要支援2」以上 介護付き)
65歳以上の認知症の人が家庭的な環境で5~9人で共同生活する。日常生活のサポートや介護が受けられる。
月額利用料 : 約15~20万円
入居時費用 : 0~約25万円

介護付き有料老人ホーム (「要支援1」以上 介護付き)
65歳以上で介護が必要な人が入所する。介護スタッフ常駐で、食事の提供から見守り、介護サービスまで受けられる。
月額利用料 : 約15~50万円
入居時費用 : 0~数千万円

住宅型有料老人ホーム
60歳以上で自立していて身の回りのことが自分でできる人が入所する。日常生活のサポートが受けられる。
月額利用料 :約15~50万円
入居時費用: 0~数千万円

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)*介護型もあり
60歳以上で自立していて身の回りのことが自分でできる人が入所する。安否確認と生活相談のサービスが受けられる。
月額利用料 : 約8~25万円
通常、敷金として家賃2、3カ月分を支払う

*介護がついていない施設は、介護が必要になったら、施設内で外部の事業者による訪問介護サービスなどを利用。要介護度が高くなると、退去しなければいけなくなるケースもある。

ケアマネ Advice
・在宅介護ができないと罪悪感を持たれる方も多いのですが、施設に入所したり、病院に入院したとしても、会いに行ったり、たまに家に連れて帰ったり、何らかのかたちで最期まで関わっていけたらいいのではないかと思います。また、介護保険ではカバーできない、見守りや話し相手、おかずのおすそ分けなど、ちょっとした助けがほしいときにお願いできる、親戚や友人、知人が近くにいると安心できます。

・一人で抱え込まないで、私たちケアマネと一緒に考えていきましょう。介護はいつ終わるか分からないものなので、気負わず、頼れるところは頼っていくことも大切です。ショートステイなどを利用するときなど、ご自分を責めてしまう介護者の方がいらっしゃいますが、利用することで、生活のリズムができて元気になられる方もいます。「こうしなければ」と頑張りすぎなくていいんですよ。

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