過敏性腸症候群【 Dr.ジョージのHAPPY診療室】

生活習慣で気をつけること

・暴飲暴食を控える
・冷たいものを摂りすぎない
・寝る前３時間は飲食を控える
・アルコールは刺激物なので控える
・生ものを食べすぎない
・生野菜より温野菜を摂る

東洋医学には「心身一如（しんしんいちにょ）」という考え方があります。
心と体はつながっているという意味で、仏教で言う「色心不二（しきしんふに）」のことですね。過敏性腸症候群は、その典型的な症状と言えます。

「腸脳相関」といって、医学的にも、腸と脳はお互いに影響を及ぼし合っているということが分かっています。実際、患者さんを診ていても、ストレスが多い人は大抵腸が悪いですし、腸の調子が悪い人は、大きなストレスを抱えていることが多いようです。

過敏性腸症候群の主な症状は、「下痢をする」「おなかが痛む」「下痢と便秘をくり返す」の３パターンです。典型的なのが、電車に乗るとおなかが痛くなるという症状で、特に若い女性、更年期の方、神経質な男性に多く見られます。
消化器科で検査しても何も問題が見られない場合、過敏性腸症候群と診断されます。これは完全に精神科の領域になります。

西洋医学の薬では治りにくい過敏性腸症候群ですが、この３パターンに応じた漢方を出すと、大体の方がよくなります。下痢によく効くのが、桂枝加芍薬湯（けいしかしゃくやくとう）で、下痢は治まってもおなかの痛みが続くときは、芍薬甘草湯（しゃくやくかんぞうとう）を。芍薬には痛み止め効果があり、芍薬甘草湯は、芍薬の効き目をより強くした漢方になります。下痢と便秘をくり返す人には、小建中湯（しょうけんちゅうとう）がおすすめです。甘いので、子供でも飲みやすい漢方です。うつっぽくなっている人には、香蘇散（こうそさん）か、半夏厚朴湯（はんげこうぼくとう）を処方します。

今すぐ治したい腹痛に！下痢・腹痛を止めるツボ

ひざのお皿の上から指３本分上にある「梁丘（りょうきゅう）」は、下痢やおなかの痛みに効く特効ツボです。椅子に座り、両手で膝を包み込むようにして親指を重ね、５～10秒ほどツボを押しましょう。５回ほどくり返します。胃の痛みやひざの関節痛にも効きます。

ベストバランスは１：２：７　腸内細菌は健康の秘訣

腸内細菌のベストバランスは「悪玉菌１：善玉菌２：日和見菌７」。ストレスや偏った食生活、運動不足などでこのバランスが崩れると、さまざまな病気の原因に。インスタント食品はなるべく避け、発酵食品や食物繊維の豊富な食事を心がけて。

Column　小建中湯（しょうけんちゅうとう）で　子供の成績が上がる！？

毎朝、学校に行く前になるとおなかが痛くなるという子供は多いですよね。親や先生は嘘をついているのかなと思うかもしれませんが、本当なんです。子供は素直なので、ストレスがあるとすぐおなかが反応するのです。不登校の子供は、おなかを治すと不登校が治ることはよくあります。また、小建中湯を飲み始めたら成績が良くなった、いつも宿題に１時間かかっていたのが10分で終わるようになったという子も。まずはお子さんのおなかを整えてあげましょう。