こんな症状が出たら要注意!
□昼夜逆転
□のどの詰まり
□イライラ
□おなかが張る
今、増えているのが「リモートうつ」です。仕事でも人と直接コミュニケーションをとる機会が減って、画面越しのコミュニケーションが増えていますが、画面越しだと時間が限られていて、雑談がなかなかできないという話をよく聞きます。特に女性は、それでストレスを感じやすいようです。人との距離を遠ざけようとする今の世の中は、「愛」の正反対の方向に向かっているように感じます。愛の不足は、確実にうつの症状を悪化させてしまいます。
「うつ」は、東洋医学では「気鬱(きうつ)」と言います。症状としては、頭帽感(ずぼうかん)やのどの詰まり、胸のつかえ感、腹部膨満感などに現れます。気逆(きぎゃく)(イライラ)もうつの症状とされています。また、みぞおちからその横にかけての部分を押すと痛みや圧迫感があったり、おへその上の部分を触ると、ドキドキ脈打っている場合は、かなりストレスを感じていると言えます。これらはうつの典型的な症状です。
漢方では、胃が弱くて頭が重いという人には「香蘇散(こうそさん)」を。香りが良くて、とても飲みやすい漢方です。これでパニックの症状が治った患者さんもいます。のどの詰まりや緊張、動悸など、典型的なうつの症状がある人には、「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」がおすすめです。「通導散(つうどうさん)」は、便秘気味で腹部膨満感があったり、生理痛、生理不順、更年期の症状がある方に。女性にぴったりの漢方です。
日を浴びてセロトニンを増やそう!はつらつウォーキング
4000歩目安で うつを予防
5000歩目安で 認知症を予防
7000歩目安で がんを予防
うつっぽくなってきたなと感じたら、家に引きこもらず、日中にウォーキングを。セロトニンを増やして、心も体も元気になりましょう!
時折、負荷をかけるように、歩幅を広くとって歩きましょう!
善玉菌を増やしてうつを撃退!栄養たっぷり具だくさんみそ汁
おすすめ食材
・ごぼう・玉ねぎ・ねぎ・わかめ・大根・豆腐
うつになると、腸内の善玉菌が減ることが医学的に分かっています。逆に善玉菌を増やすと、うつがよくなることも分かっています。善玉菌を増やすメニューとしておすすめなのは、具だくさんのみそ汁。栄養も食物繊維もたっぷり摂って腸内環境を改善すれば、うつの予防・改善につながりますよ。
Column 漢方はこんな飲み方も
うつ気味だったり緊張したりすると、声が出なくなることがありませんか? そんなときは、緊張する場面の2時間ほど前に半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)をお湯に溶かしてゆっくり飲みましょう。外出中にパニック症状が出そうになったら直接口の中に入れ、そのまま20分くらい口の中に含んでみてください。即効性があり、動悸も抑えてくれます。
おすすめ漢方薬
胃が弱く、虚弱体質で頭が重い人に
香蘇散(こうそさん)
のどの詰まりや胸のつかえ、動悸や緊張がある人に
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
便秘気味で腹部膨満感や婦人科系統の症状がある人に
通導散(つうどうさん)
(「Are You Happy?」2021年7月号)
小林城治
精神科・心療内科医
医療法人社団ヘルメス会「J戸越銀座クリニック」理事長。
高い実績を認められた復職支援(リワーク)の専門機関、薬だけに頼らない療法で社会復帰をサポート。現代書林『赤ひげ名医シリーズ』に掲載他、日本テレビ『ニュースゼロ』TV東京『ワールドビジネスサテライト』等、テレビ出演も多数。
書籍『2014最新版 現代の赤ひげ 医療最前線の名医12人』に選ばれている。