花粉の予防対策8カ条
- 上着はさらさら素材に
- 外出時は帽子をかぶる
- コンタクトをメガネに変える
- 水分を摂りすぎない
- 緑茶で鼻うがいをする
- 鼻の粘膜にオイルを塗る
- 甘いものを控える
- お酒を飲まない
私も年季の入った花粉症なのですが、毎年本当にたいへんですよね。1月下旬あたりから症状が出始める方もいますので、早めに対策を始めましょう。実は花粉症は、漢方の得意分野。効き目はかなり期待できます。症状が出始める1~2カ月前から漢方を飲み始めると、症状が軽く済むケースは多いです。
花粉症はアレルギーの一種で、東洋医学では水毒とされています。花粉症になると鼻が詰まったり、鼻水が止まらなくなったりしますが、それは体のある部分に水があふれていたり、滞っていたりするためです。日本は湿度が高いため、水毒の人が多く、花粉症になりやすいのです。漢方では、一般的な花粉の症状には「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」を。もっと症状がひどく、かつ冷え性の方には「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」を処方します。 普段の生活では、外出時に帽子をかぶったり、上着やコートをさらさら素材のものにしたり、コンタクトをメガネに変えるだけでもかなり防御できます。症状がひどいときは粘膜が過敏になっているので、飲酒は控えましょう。アルコールは血管を拡張させるので、鼻が詰まりやすくなったり鼻水が出やすくなり、花粉の症状を加速させてしまいます。
私のおすすめは、殺菌作用のある緑茶でやる鼻うがいです。朝、ぬるめの緑茶で鼻うがいをすると、午前中いっぱいは鼻水と鼻詰まりがぴたりと治まります。ぜひお試しください。
花粉から身を守る服装
帽子
帽子をかぶり、物理的に花粉をシャットアウトしましょう。
メガネ
普段コンタクトレンズを使っている人も、花粉シーズンはメガネにしましょう。
コート
綿ではなく、ポリエステルなどのさらさら素材だと、花粉が生地に入り込まず、さっと払えます。
Point 漢方の正しい飲み方
漢方は、そのまま水で飲むと効果は半減してしまいます。必ずお湯で溶かし、2秒くらい口に含んでゆっくり飲みましょう。お湯に溶かすと漢方(植物)の成分が生き返り、パワーがアップします。口内や食道の粘膜からも成分が浸み込み、さらに効果が高まります。漢方は寝る前に飲むのがおすすめです。なぜなら、寝ているときは「無意識の世界」なので、植物との親和性が高くなるからです。服用は1日1回で十分ですが、症状がひどい方は、朝もう1回飲んでください。
おすすめ漢方薬
典型的な花粉の症状に
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
症状がひどく冷え性の方に
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
(「Are You Happy?」2021年3月号)
小林城治
精神科・心療内科医
医療法人社団ヘルメス会「J戸越銀座クリニック」理事長。
高い実績を認められた復職支援(リワーク)の専門機関、薬だけに頼らない療法で社会復帰をサポート。現代書林『赤ひげ名医シリーズ』に掲載他、日本テレビ『ニュースゼロ』TV東京『ワールドビジネスサテライト』等、テレビ出演も多数。
書籍『2014最新版 現代の赤ひげ 医療最前線の名医12人』に選ばれている。