〔お悩み〕
中学受験をして、なんとか目標にしていた進学校に進むことができました。ですが、優秀な人ばかりで、授業のペースについていくのに精一杯です。周りの友達と比べてしまって、つらいことも多いです。僕は運動が好きでサッカー部に入ったのですが、将来のことを考えると、勉強に集中するために部活を辞めたほうがいいでしょうか。(中学1年生男子)
進学校は受験を見据えて学修進度が早い
小学校6年生で「受験」に挑戦し、進学校にみごと合格したあなたの努力を祝福したいと思います。中学校ではあなたと同じように受験勉強し、合格を勝ち取った子たちが同学年になっているので、「授業の進み具合が小学校のときと違う」と感じるかもしれません。「授業のペースについていくのに精一杯」ということですが、そもそも進学校というところは、高校受験や大学受験を意識して、最終学年になったときに受験勉強の時間をたくさんとれるように、学修進度を早くしています。まずは、中学1年生の間は、運動部と両立できるかどうか様子を見てみるとよいでしょう。
勉強をする本当の目的を考えてみる
次に、「周りの友達と比べてしまう」という悩みですが、切磋琢磨はあっていいのですが、周りの子たちとの競争だけで勉強を頑張ろうとすると、苦しくなると思います。あくまで勉強は、将来あなたが大人になって夢や志を叶えるための武器です。また、勉強を頑張って一人前の大人になることで、周りの人や多くの人を助けられる人間になることができます。
もし夢が明確な場合は、おのずと目指すべき進路も決まっていきますので、どのくらい勉強が必要になるかは、学校の先生など、あなたが相談できる大人に聞いてみてください。例えば、医者を志望しているのなら、医学部受験のための準備は早くから必要になるので、勉強時間確保のために、早めに部活動を辞めるという選択肢もあり得るでしょう。
体を鍛えることは頭脳にもいい影響がある
ただし、勉強に集中し、粘り抜くためには、体力も必要です。私が校長を務める高校でも、長時間勉強するなかで、これ以上覚えられなくなったり、ページ数が進まなくなったりする受験生が出てきますが、そのようなときは「体を動かしなさい」とアドバイスします。血行をよくすると勉強がはかどるようになるのです。体を鍛えることは頭脳にもいい影響を与えますし、体が丈夫な子は、長時間勉強しても翌朝疲れが残らず、疲労回復が早いのも特徴です。
体力はすぐにつくものではないので、中学時代から部活動で体を鍛えることは、とても大切なことなのです。あなたは運動が好きでサッカー部に入ったということなので、もし両立できるようなら頑張ってみてもよいかと思います。
中学1年生では、まだ本格的に難しい内容には入っていませんので、授業の復習、予習という「自宅学習を習慣化」し、「授業の時間内に集中して覚えてしまうこと」、さらには「定期考査での目標を明確化」して、一歩一歩確実に達成し、前進していきましょう。
もう大丈夫!!
(「Are You Happy?」2022年11月号)