あるときはイライラしていたり、かと思えば急に甘えてきたり……。
思春期の子供の気持ちはいつも読めません。
しかも、親が心配して口を出せば出すほど、反発されてしまいます。
専門家からのアドバイスや、思春期を抜けた子供たちの本音から、上手なコミュニケーション方法を考えてみます。
思春期あるあるエピソード
思春期の子供とママは、いつもいろいろなことでぶつかります。読者から集めた、そんな日常のトラブルをご紹介します。
姉妹ゲンカを仲裁すると私と長女のケンカに……(なないろさん/17歳男子、14歳女子、9歳女子)
長女が小学6年生のときは、口答えがすごかったです。姉妹ゲンカ中に私が仲裁に入ると、いつのまにか私と長女のケンカになってしまうことが何度もありました。私が「どっちかがやめればいいのに」と言うと、長女は「向こうからしてきたのに、私ばっかり怒られる」と怒りをぶつけてくるのです。また、私もつい、上の子だからガマンさせようとしてしまい、長女の不満を爆発させていました。
私が園長を務めるこども園は、利用者の9割が共働きの家庭です。
子供の様子やお母さん自身の様子を見て、「ちょっと余裕がないのかもしれない」と感じるときは、声をかけてお話を聞くようにしています。
話を聞くと、「子供が多くて対応しきれていない」「お母さんが全部自分でやらないといけないと思い、プレッシャーを感じている」など、ボトルネックはさまざまです。
キャパオーバーになると、つい「子供がワガママを言って困らせた」「勝手にやって失敗した」と、子供が起こしたことの結果だけを見てしまいがちになります。
しかし大切なのは、その奥にある「お母さんにかまってほしい」「自分でやってみたい」という気持ちを見逃さず、受け止めたり、認めてあげたりすること。
するとお子さんは自分を分かってくれるという安心感を感じ、自己肯定感が身につきます。
お母さんが一生懸命、子供に向き合い、頑張る姿は、子供たちが将来、努力する力につながるはずです。
case1 忙しいママの後ろ姿が優しい子に育てた
医療現場で、毎日早朝から夜遅くまで働いているお母さんがいました。その方は送り迎えの際も、あいさつをする間もないほど忙しかったのですが、お子さんたちはその姿を見て尊敬の気持ちが芽生えたようです。お母さんが頑張っている姿を見てたくましく育ち、忙しいお母さんに励ましの言葉を送る優しい心も育っていきました。
case2 子供の良いところを書き出し続けたママ
園ではしっかりしているのに、家ではワガママ放題で、お母さんに暴力まで振るっている5歳の男の子がいました。
どうしたらいいか分からなくなっているお母さんに、「お子さんを信じて、毎日、良いところを書き出してみてください」とアドバイスをしました。
すると少しずつ変わっていき、卒園のときには「息子の成長を愛おしく思えました」と涙を流していました。
つづく
本誌では上記の続きと、下記の記事をお読みいただけます
◇ 思春期あるあるエピソード
◇ 思春期の子供との上手な接し方
◇ 思春期のお悩みケース別アドバイス イライラして物に当たる、スマホ・ゲームで一日中遊ぶ、学校に突然行かなくなった……
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