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夫のスマホの習慣は子供に影響がありますか。【竜の口法子 校長の熱烈エール もう大丈夫!】

〔お悩み〕
夫のスマホの習慣は子供に影響がありますか。私の主人は昨年転職し、学校の先生として慣れない仕事を楽しみながら頑張っています。部活も受け持っているため帰宅が遅く、時間がもったいないと、スマホでニュースや勉強系のチャンネルを視聴しながら食事をします。子供の前ではどうかなと思い指摘すると、「勉強時間が必要なんだ」言われます。子供には「お父さんは遊んでいるのではなく、勉強しているんだよ」と説明すれば問題ないでしょうか?(宮崎県/41歳)

スマホは「考える時間」を奪う

スマホはいつでもどこでも手軽に欲しい情報にアクセスでき、便利ですよね。
今や私たちの生活に根付き、欠かせないものだと感じている人も多いでしょう。
しかし、その便利さと引き換えに、現代の私たちは「考える時間」を失ってしまったとも言えます。
また、深い学びとなり、インスピレーションを与えてくれる上質な情報は、スマホからは得られません。
スマホを使う時間が長くなると、やがて、仕事の生産性が低下してしまうかもしれません。

ご主人のスマホの使用頻度が奥さまの目に余るほどなら、やはり、使い方を見直した方がいいでしょう。
忙しいご主人だからこそ、「何に時間を使うのか」は、より慎重に取捨選択したいところです。
知識の質を低下させないためにも、スマホで勉強をするのは「ニュースだけ」と決めたり、帰宅後のスマホ利用は5~10分ほどでやめるなど、時間を区切ったりしてはいかがでしょうか。

親の後ろ姿が本当の教育になる

ご主人のお仕事でもある教師は、日本の未来を創る「聖職者」であり、とてもクリエイティブな仕事だと、日々感じています。
毎日接する生徒たちは、先生の言葉や立ち振る舞いから、全人格的な影響を受けています。
そうした職業に就かれているご主人だからこそ、スマホでニュースを見た後は、教養を深め、人格を磨くための「良書」を読んでいただきたいと思います。

お父さんが本が好きで書棚に本を置いていたら、空いている時間に子供が引っ張り出して読むようになって、いつのまにか教養がついていたという話も聞きます。
子供にとっても親の姿から学ぶことは多いのです。
家庭では、読書を続けるお父さんの後ろ姿を見せることが教育になるでしょう。

大切な話はネットには書いていない

最近では、子供よりスマホを優先する親が問題になることもあるようです。
例えば、「子供が親に話しかけているのに、親がスマホに夢中で、生返事しかしない」などです。
しかし、お子さんとコミュニケーションをしっかり取れる時間は意外と限られています。
お父さんがどのように生き、どのような仕事をし、困難を乗り越えたか、という「本当に大切な話」は、ネットには書いてありません。
毎日短時間でもいいので、人生のリアリティを伝えてあげてください。

乱気流の時代が続き、テキストがないこれからの時代、思索の中からアイデアを出し、大きな判断をするような、創造的な仕事が求められるようになるでしょう。
考える材料になる「読書の習慣」と「人生経験の話」は、お子さんの人生を大きく後押ししてくれるはずです。
もう大丈夫!!

(「Are You Happy?」2022年4月号)

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