私たちの幸・不幸は、物事を選択するときの“心の状態”が密接に関係しています。幸福の科学 総本山・日光精舎の村田堅信(けんしん)館長に、思いが選択に与えるスピリチュアルな背景と、「正しい選択」をして幸せを引き寄せるための心掛けを教えていただきました。(「Are You Happy?」2016年2月号掲載)
心の状態をチェックする“六大煩悩(ぼんのう)”
今からおよそ2600年前、お釈迦様が説かれた教えに、“六大煩悩(ぼんのう)”というものがあります。六大煩悩とは、本誌P・32~33でもご紹介したように、「貪(とん)・瞋(じん)・癡(ち)・慢(まん)・疑(ぎ)・悪見(あっけん)」という、6つの“欲望”を表すものです。欲というのは、人間が生きていくうえで、必要な面もあります。しかし、それが執着になると、人としての正しい生き方から外れ、心に苦しみをつくる原因になってしまうんですね。
大切なのは、普段生活している中で現れる欲望が、一定の許容範囲内に入るようにコントロールできるようになることです。本誌P・30のチェックシートを参考に心を点検することで、不幸を生み出している“心の誤りや偏り”が浮かび上がってきます。それを“正しい心に入れ替えようとする習慣”を身につけることが、幸福な選択をするための第一歩ではないでしょうか。
日常的に起こる“憑依現象”
“波長同通”や“類は友を呼ぶ”という言葉がありますが、欲が過ぎて偏ったり、誤った心を持っていると、同じ心の波長を持った悪霊(あくれい)が“憑依”という形であなたにとり憑き、思いを実現させようと応援しにやってきます。悪霊にとり憑かれると、人を責める思いが強まったり、逆に、物事の見方が極端に刹那(せつな)的になったりと、人や物事の“マイナスな面ばかりが見える”ようになります。その結果、ご夫婦であれば離婚、仕事であれば人間関係がうまく行かず、転職をしなければいけなくなるなど、不幸な選択をせざるを得ない状況に陥ってしまうのです。
“心の針”を天国に向けると悪霊は離れていく
悪霊の憑依が続くと、身体にも影響が出てきます。頭痛や耳鳴り、腰、首、肩などの慢性的な痛みに悩まされたりするほか、身体が重く感じたり、倦怠感などが現れたりします。さらに、持病などがあると、そこにも憑依して、症状をさらに悪くしてしまうこともあるのです。
しかし、人は一度悪しき思いを出しても、改めることができます。悪霊は、「自分さえ幸せになればいい」というような、自己中心的な考えを持っているので、逆に「多くの人の役に立ちたい」「人を幸せにしたい」というような、与える愛の思いを持ち、心の針を天国的な方向に向けていくことで、憑いているものも波長が合わなくなり、自然と離れていくでしょう。そして、今度は、天使やよき思いを持った霊があなたの幸福を応援してくれるようになるはずです。
心のメガネを磨いて正しい選択を
心を見つめる習慣を持たず、心に曇りをつくっていると、物事が正しく見えなくなってきます。例えば、「メガネが汚れて一部が見えない」、「レンズに色がついていて違った色に見える」、あるいは「レンズそのものが歪んでいる」場合、世の中を正しく見ることはできませんよね。心も同じで、事前に心のレンズそのものをしっかりと磨いておくことで、はじめて“正しい選択”をすることができるようになるのです。
大切なのは“霊的人生観”を持つこと
幸福な選択をするための心掛けとして、“霊的人生観”をしっかりと持っていただきたいと思います。私たちは、転生輪廻(てんしょうりんね)をくり返しながら、自らの心や魂を磨き続けている霊的な存在です。この世での寿命を終えればあの世に還ります。そのとき、あの世に持って還れるのは、“心しかない”のです。そういう人生観から見ると、地獄に行かないためには、“正しい心”を持って還ることが大切と分かるはずです。
もし、正しさというものが分かりにくければ、「みんなが自分と同じような心を持ったら、世の中はどうなるかな」と考えてみてください。幸福な人が増える選択こそが、神仏が望まれる“正しい選択”です。
霊的人生観を持つことによって、次第にこの世的な欲望に惑わされない心が得られ、主体的に幸福な人生を選び取っていくことができるようになるのです。
(「Are You Happy?」2016年2月号)