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「読書はほんとうに大切ですか?」子供と読書の関係について〔子育て110番〕

プリ○ュアの絵本でもいいですか?

「子供たちにとって、読書はどうして大切なのか」というお話をママたちにした際に、ある方が、困った顔でこんな質問をされました。「うちの子、プリ○ュアの絵本なら読むんです。それでもいいでしょうか」

私は「もちろん! お子さんが読みたい絵本をどんどん読ませてあげてください」と答えました。これには多くのママが意表をつかれたようで、「それでいいんですか?」「物語の絵本じゃなくてもいいんですか?」と矢継ぎ早に質問が飛んできました。そこで私は、大人にとっての読書と、子供にとっての読書は少し違うということをお話ししました。

大人の読書には、ある程度はっきりした目的があります。たとえば、パパやママが政治経済の本を読むのは、勉強のためだったり、仕事のための情報収集だったり、新しい分野の教養を身につけるためだったりするでしょう。また、人格を磨き、智慧(ちえ)を蓄え、人生を豊かに生きるために、宗教書や古典を熱心に読まれる方もいるでしょう。しかし、子供の読書はちょっと違います。

子供の読書は、登山訓練

幼い子供は、まず「一字一字、文字を読む訓練」から始めます。どうにかこうにか読めるようになったばかりのひらがなを、一字一字たどったり、指でなぞったり、声に出したりしながら全力投球で読みます。

次に「書かれている内容を理解したり、頭の中で想像したりする訓練」が待っています。語彙(ごい)も人生経験も少ない子供がお話を理解するには、頭の中で、知っている限りの言葉を検索したり、想像力・空想力を思いっきり働かせたりしなければなりません。

さらに「ほんとうはよくわからないけれど、それでも一ページ一ページめくって読み進める訓練」や、「忍耐強く、最後までお話を読み切る訓練」が待っています。

そうです、子供の読書は、まるで登山訓練です。しかし、この登山訓練は、抜群に知力が鍛えられます。見る力や語彙力、想像力、理解力、忍耐力、意志の力、それらの力を総動員して毎日本を読めば、知力、つまり考える力がぐんぐん鍛えられるのです。

子供の心に光の種を

子供が、最初から興味のないものに忍耐強く取り組むのは至難の技です。だから最初は、アニメの絵本でも恐竜の図鑑でも、好きなものを繰り返し繰り返し読ませてあげてください。そのうちに本を読み進める地力(じりき)が身につき、その地力は、他の本を読み始めたとき、とても役に立つことと思います。

また、パパやママは、子供の心を豊かに耕す良書との出会いも大切にしてあげてください。

真理がいっぱい込められたお話を読むと、子供の瞳が喜びに輝きます。神様のお話や天使のお話、民族の神話、救世主のお話、偉人たちの物語、人生の教訓や智慧が込められた説話や寓話、情感豊かなお話や愛の物語、夢と冒険の物語や、努力精進の物語。

真理絵本や良書は、子供の心にまかれる光の種です。その種は、やがて大きく育って、立派な志(こころざし)になったり、創造性の高い頭脳になったり、人を救う力や育てる力になったりします。どうか、子供たちの心に、たくさんの光の種をまいてあげましょう。

(「Are You Happy?」2018年8月号)

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