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寮制の中学校に入るために準備しておくべきことはありますか。〔竜の口法子校長の熱烈エール もう大丈夫!〕

〔お悩み〕
わが家には小学1年生の息子と、幼稚園年長の娘がいます。息子は本人の個性を尊重して私立の小学校に通わせており、娘も今年から同じ学校に通う予定です。ふたりとも中学からは、寮制の私立学校を検討しています。寮制の学校に行くために、今から準備しておくべきことがあれば教えてください。(40 歳/宮崎県)

共同生活ができるように生活面の準備をする

私が校長を務める中学校・高等学校は全寮制ですので、体験も含めてお答えいたします。まず、家から通う通学生であっても、新入生は、新しい友人関係や初めての授業、部活動など、環境に慣れることで精いっぱいです。そこに「入寮」という生活部分の変化も加わるので、負担が大きくなります。ですので、小学校低学年から、お母さんに教えてもらいながら家の手伝いを覚えていき、高学年からは、身の回りのことは自分でできるようにしておきましょう。具体的には掃除、洗濯を一人でできるようになるといいですね。
また、中学校・高等学校の寮では、複数の友人との共同生活になるため、規則正しい生活で過ごすよう、学校独自のルールやスケジュールが定められています。よって、準備としては、ゲームやテレビ、スマホをやりすぎて夜更かしをしたり、朝寝坊するなどの昼夜逆転生活にならないよう、早寝早起きを習慣化してください。寮生活では、他人に迷惑をかけず、協調して生活していくことが求められます。

親は心配しすぎないこと

さらに、親の心構えにも準備が必要です。小学校を卒業したばかりの子供を預けることになるので、心配なことも多いでしょう。しかし、親が過度に心配すると、子供にも思いが伝わり、親子で心配症になるケースもあります。離れて暮らす親が動揺しないことが、子供の精神安定のためには大切です。子供も修行中なので、反抗期があり、思春期の悩みがあり、多感なこの時期に試練や苦難があって、それを乗り越えて大人へと成長していきます。そのときに、お母さんは何があってもどっしりと構えていたいものです。そのためには、中学入学までに、たくさんコミュニケーションをとってください。そして、子供の傾向性や強み、長所を発見し、たくましく育てて、子供を信頼していきましょう。

寮制の素晴らしさ

昔の旧制一高や旧制三高などの時代には優秀な人たちが共に寮で生活し、天下国家を論じるような雰囲気のなかで日本を背負おうと勉学に励んでいました。私自身は寮制の学校に入ったことはありませんが、できることなら、自分も中学校から寮に入りたかったと思っています。なぜなら、親と離れて自分のことは自分でしなくてはならない環境が、どれほど自立心を鍛えるかを痛感しているからです。大人になる前に、先輩・後輩の人間関係のなかで大切なことを学び、早くから志を立てている生徒たちを見ていると、寮制の素晴らしさを実感せざるをえません。
お子さんは、まだ中学生になるまでに時間があります。しっかりと向き合って、長所をひとつでも多く見つけて伸ばしてあげてください。もう大丈夫‼

(「Are You Happy?」2021年3月号)

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