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「ママ、勉強してますか?」〔子育て110番〕

「私の子育て、これでいい?」――子育て中のママたちは、毎日が試行錯誤の連続です。そんなママたちに、大切な子育てのヒントをお届けします。

10年後の自分

それは、息子がまだ2才半のある夜のことでした。
いつものように野菜嫌いの息子と格闘してどうにか夕食を食べさせ、いつものように洗い物の間にお風呂のお湯を張り、「どうしてオムツが取れないのかなあ」と思いながら服を脱がせ、楽しくお歌を歌いながら息子の体と髪を洗い、お風呂から上がって急いで布団を敷き、ようやく1日が終わると思ったそのとき、思いがけない人からの電話がありました。それは、かつての職場の先輩でした。

美しくて聡明で仕事のできる彼女は、入社時から私の憧れで、仕事の仕方だけでなく、忙しいなかでの勉強の仕方も教えてくれました。そんな先輩からの何年ぶりかの電話です。突然のことに驚いている私に、彼女はごく自然な感じでこう聞いてきました。

「ねえ、今も勉強してる?」
文字通り、雷に打たれたようなショックを受けました。私はしどろもどろになりながら、子供がまだ小さいこと、初めての子育てに毎日ハアハア言っていること、寝る時間もないことなどを色々並べたと思います。すると彼女は、こう言いました。

「そうよね、子育ては大変だと思う。だからこそ、あなたに勉強を続けてほしいの。自分の時間もないような忙しさの中で、それでも魂の糧になる本を読み、心を見つめ、自分を成長させてほしいの。努力精進して心を磨きながらよい子育てをして、経験も知恵も身につけたお母さんになってほしいの。10年後、きっとあなたは人々の役に立つ人になっているはず。その日のために、どうか勉強を続けて」
彼女の要件は、それだけでした。

 

時間は作れる

毎日、子供を追いかけて日々が過ぎ、自分が1年後どうなっているかさえ想像できない。若いころは知的自己実現に憧れ、生き生きバリバリ働いていたのに、今はただ「この子はちゃんと育つかしら」とぼんやり思うばかりで、結局、自分の未来なんて何も思い描いていない。それなのに、こんな私の10年後を期待して、「どうか勉強を続けて」と言ってくれる人がいた。

私は自分に問いかけました。
「あなた自身は何になりたいの? どうなりたいの?」「時間がないといつも思っているけど、それは本当?」

すると、胸の奥で正直な自分が答えます。
「今の私には夢がない。時間は、本気を出せば作れる」と。

その夜、私は子供が寝た後の時間をだらだらつぶさず、さっさと家事を終えて休みました。そして翌朝から5時起きを始めました。家人がまだ寝静まっている時間、物音を立てないように1人分のコーヒーを入れ、クッキーを2枚用意し、食卓で勉強を始めました。

すがすがしい空気、窓から見える朝焼け、自分だけの静寂な時間。こんなに心の中が静かなのは何年ぶりだろう。学ぶ喜びが心によみがえってくる。新しい発見があり、新しい感動がある。自分は成長できると思えることがとても幸せ。
忙しいママたち、どうかスマホもテレビも遠ざけ、1人きりの静かな学びの時間を作ってください。自分に期待をかけて、勉強を続けてみてください。10年後のあなたが、きっとほほ笑んで待っているから。

(「Are You Happy?」2016年11月号)

奥田敬子 

早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。

 

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