仕事の常識は非常識!?(優先順位の付け方・ファイリング)〔トランスフォーム仕事術〕

トランスフォーム仕事術とは、「コツを知り、量をこなしていって、仕事の質をガラリと変える」仕事術のこと。
今回は、一歩間違えると逆効果になってしまう仕事術の常識についてです。

タイムマネジメントには誤解も多い

トランスフォーム仕事術の基本は、「質の高い時間を創り出して、活用していくこと」にあります。同じ30分でも、成果の出るときと、思うようにいかないときがありますよね。
いかにして、集中してパッと成果を出すか――。これはビジネスパーソンにとって永遠のテーマです。
今回は、そんなトランスフォーム仕事術を実践するための常識と非常識について。実は誤解もあるタイムマネジメントのスキルを中心に述べていきます。

優先順位をつける仕事つけない仕事

優先順位つけすぎ

「優先順位をつけて仕事を進める」という常識があります。これは仕事をしている人なら誰でも知っていますよね。ただし、いつでも、どんな仕事でもとなりますと、これは誤り。非常識になってしまいます。
「どっちを先にしたらいいのかな?」と迷う仕事があります。緊急度、重要度という尺度で考えても、内容で考えても、すぐには優先順位をつけにくいわけです。こんなときにはどうしたらいいでしょうか?

正解は、「優先順位をつけないこと」です。サッと始めてしまいましょう。手のつけやすい方で構いません。大同小異なら、あえて優先順位をつけている時間が、時間ドロボーになることもあるので要注意です。
また仕事の数、種類があまり多くない人も、無理に優先順位はつけなくていいのです。この場合には、ToDoリストにその日にやるべきことを書いて、その日のうちに処理したなら十分です。
仕事の優先順位を考えるのは常識。されど、すべての人がすべての仕事にとなりますと非常識になってしまうのです。

すぐに着手すべき仕事ねかせる仕事

仕事をいたずらに先延ばししてはいけないですね。「すぐに着手すること」は仕事の常識です。
特に、重要度が高い仕事は、難易度も高いものが多いですから、ややもすると「大変だなぁ」という気持ちが優先してしまって、先に延ばしがちです。
これは、周囲に公言したり、見える化したりして、自分に良いプレッシャーをかけ、即実行したいものです。あるいは、「自分締め切り」でしっかり管理するのもいいでしょう。
ただ、仕事の中には、ねかせて、発酵させて、時間をかけるべきものもあります。
私の場合ですと、新しい研修プログラムの開発や、新しいジャンルの本の企画などは、その部類に入ります。
こういうものは、早く手をつければいい仕事ができる、早くやればやるほど多くの成果が出るとは言い切れません。アイデアを出してはねかせ、考えを練っていった方が、受講者に人気の研修になったり、いい本が書けることも多いのです。
あなたの仕事でも、じっくり時間をかけるべきものは、即、手をつけなくていいのです。むしろ、卵が孵化するのを待つように、時間をかけていいのです。
つまり、熟成させるべき仕事には、すぐに手をつけないことが実は常識なんです。

ファイルすべき書類しなくていい書類

ファイリングしすぎ

資料を保管するのは、いうまでもなくビジネスには欠かせません。常識です。
しかし、あらゆるデータをすべてファイリングしなくてはいけないとなると、たちまち非常識になります。
仕事をしていると、膨大なデータ、情報に囲まれていますから、「何をファイルするか」よりも、「何をファイルしないか」が重要になってきます。それを見抜く眼力、判断力を磨くことを重んじる必要があります。
ファイリングは大切です。しかし、すべての資料に手を広げすぎないように自戒しましょう。必要最低限で見切る勇気を持ってください。

いかがでしたか? 常識と思っていた中にも、実は非常識の種が含まれているものです。
次回もさらに、仕事の常識、非常識を知って、さらに質の高い仕事をするトランスフォームの旅を続けましょう。

2010.6今回のポイント

松本幸夫 

ヒューマンラーニング代表 / 人材育成コンサルタント

1958年東京生まれ。著作は170冊を超え、年間約200回行う研修・講演のリピート率は92%という実績を誇る仕事術の達人。主な著書に『百田尚樹に学ぶヒットを生む仕事術』(総合法令出版)『人生がうまくいく「呼吸法」』(PHP研究所)『自己能力を10倍高めるトランスフォーム仕事術』(幸福の科学出版)『超強運』(あ・うん)『図解 スティーブ・ジョブズのプレゼン術』(総合法令出版)など。著作は、韓国、台湾でも翻訳され、ベストセラーとなっている。