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お客様のプライベートにどこまで踏み込んでいいか悩みます。〔心のお悩み相談室〕

私は保険会社で保険や経済、金融など、総合的な観点からお客さまの人生計画を立て、幸福な将来をサポートする仕事をしています。ほとんどの場合は、ご提案したプランでご満足いただけることが多いのですが、たまにお客さまがご家族の理解がないまま無理に起業をされようとするなど、「その道を進むとご本人やご家族が結果的に不幸になってしまわれるのではないか」と心配になるケースがあります。しかしお客さまが望んでいらっしゃるので、こちらの意見を押し付けることはできませんし、どこまでプライベートに立ち入ってよいのか分からず、もどかしさを感じてしまいます。いったいどのように接することがお客さまにとって一番よいのでしょうか。〔32歳・女性〕

相手との“信頼関係”がいい仕事に繋がります

お客さまの人生設計に携わり、将来の幸福をサポートするライフプランナーは大きな責任を負いますが、“お客さまに安心や幸福をお届けできる”という、やりがいのあるお仕事だと思います。また、「ほとんどの場合は、ご提案したプランでご満足いただける」ということですから、あなたの誠実で熱心なお仕事ぶりが伺えます。

さて、“仕事でどこまでお客さまのプライベートに踏み込んでいいか”というご相談ですが、その仕事の目的やお客さまの性格、価値観などによって、一律にはいかない部分はあると思います。ただ基本的には、“あなたご自身が人間として、また専門家として、どれだけ信頼していただいているか”にかかっているのではないでしょうか。信頼関係があれば多少踏み込んだ内容の話もできると思いますので、ときには商売を二の次にしてでも“心の交流”を深めることで、長く続く人間関係を築くことができると思いますよ。

“お客さまが求めているもの”をキャッチしましょう

例えば、お客さまが「保険の話を聞いた」と感じられた場合と、「自分や家族の話をした」とお感じになった場合の、どちらに“親近感や信頼”が生まれると思いますか? おそらく「自分のプライベートな話を聞いいてもらった」、「自分の気持ちを理解してくれた」というほうが、“満足度”は増すのではないでしょうか。

人は“合わせ鏡”のようにこちらの心を相手に映し出すものですので、あなたのほうから、ゆっくり“心の距離”を縮めてみましょう。また、ときには「それはなぜですか?」と、率直にお聴きすることで、ご本人も気づいていなかった“家族への愛”や“起業したい本当の動機”などが伺えるかもしれません。

相手への関心の深さは、愛情の深さであり、優しさでもあります。まずは、“お客さまにとって本当に大切にしたいものが何なのか”を引き出すこと。つまり、どれだけ「お客さまの立場」になって考え、どこまで「お客さまが求めているもの」にお応えできるかだと思います。そうした顧客マインドやあなたの誠実さは、必ず“人間として、専門家としての大きな信頼”へと繋がってゆくことでしょう。

(「Are You Happy?」2017年4月号)

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