①テレパシー会話をしない
会話パターン①【アイス】
子ども「ねぇー、ねぇーっ」
ママ「なにっ!?」
子ども「ねぇーっ、あれっ」
ママ「もう……、ハイ」
会話パターン②【玄関で】
ママ「ほら! 」(と言って、靴をはかせる)
子ども「△◎※○っ……」
ママ「もう! ほら!」(と言いながら、子どもの腕を引いて園に向かう)
こういう場面、心当たりはありませんか? 言語を使わずニュアンスや空気だけで相手にわからせようとするテレパシー会話ばかりしていると、子どもの将来の会話力、国語力、また論理的思考力の発達が心配になります。
学校でも社会でも、国語力は必要です。人の考えを正しく読み取り、自分の考えを上手に伝達することは、勉強でも必要ですし、それ以上に社会生活では不可欠の力となります。
ですから、ママは言葉を惜しまず、「てにをは」を使ったちゃんとした文章で子どもと会話をしたほうがいいですね。「ほら」で済ますのではなく、「靴をはこうね」「幼稚園に行こうね」と語りかけたほうが、日本語の語彙や文法が自然に身につきます。また、「お茶!」や「あれ!」など、「単語・指示語会話」のくせがついてしまった子どもには、「お茶をちょうだい」「アイスを買ってもいいですか?」と、文章で会話するように修正してあげましょう。
②読書プラス音読のすすめ
国語力アップのための王道は、やはり読書です。
小学1年で、国語の教科書をすらすら読める子は、国語嫌いになりにくいのです。なぜなら、文章の内容や問題文の意味がすらすらと頭に入ってくるので、あまり苦労せずに文章読解ができるからです。
ところが、一文字一文字「たどり読み」をする子は、ひらがなを読むことに必死で、文章の意味までは頭に入らず、「何が書かれていましたか」という読解問題に答えられないのです。この辺りで幼少期の読書量の差が出ます。
できればお子さんを毎週図書館に連れて行ってあげて、本をたくさん読ませてあげましょう。
それに加えて、入学前には音読が効果的です。好きな絵本やリズムのいい詩文、図鑑や工作本など、何でもよいので、子ども自身が興味関心のある本を声に出して読ませてあげましょう。
小学校に上がったら、国語の授業の前日、予習で3回通り音読しておくと、文章がだいたい頭に入った状態で授業にのぞめますね。
③「会話を楽しむ」文化をつくる
あまり本を読まないのに、国語が超得意な子がいます。毎日大人の会話が飛び交うような商売の家に育った子や、家庭に「会話を楽しむ」文化があった子です。国語力は、相手(作者や出題者)の意図をくみ取る力なので、心のともなった内容のある対話をたくさん経験した子は、国語力も高いわけです。
まずは「子どもの好きなもの」について、大人が関心を持って聞き、存分に語らせてあげましょう。ときには「パパが大切にしていること」や「ママの趣味」についても熱く語り合ってみてはいかがでしょう。
Illustration by Mika Kameo
(「Are You Happy?」2014年1月号)
奥田敬子
早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。