10月16日に公開される映画「夜明けを信じて。」で、主人公の一条悟を演じた田中宏明さんに、初主演作への意気込みや撮影秘話などをうかがいました。等身大の魅力に迫るQ&Aも注目です。
歌詞から始めた役作り
今秋公開される映画「夜明けを信じて。」で、主演に抜擢された田中宏明さん。本作は、同時代を描いた映画「さらば青春、されど青春。」よりも高い精神性、宗教性を目指して製作され、その内容はリアルな救世主像に迫っている。大きなプレッシャーの中、初主演とは思えない堂々とした佇まいで、現代に生まれた救世主という役どころを演じ切った。
「これまでにも何度か映画への出演経験はありましたが、どれも端役だったので、一条悟役が決まったときは頭が真っ白になりました。主役は絶対に自分じゃないだろうなと思っていたので。周りのみなさんも、経験の浅い僕にこんな大事な役を任せるのは不安だったと思います。〝やります!〟という気持ちにはなったものの、プレッシャーはものすごくありました」
本作では、主題歌「ただ一人往く」も歌う田中さん。撮影に先立って行われたレコーディングが、役作りの第一歩だったそう。
「この曲は、一条悟の人生そのものを歌っているので、その心境が歌えなかったら役にたどり着けない、演じることはできないと思ったんです。なので、まずは歌詞を読み込んで、心情を理解することから始めました。この曲以外にも、場面ごとに5つの楽曲をいただいたので、すべての歌詞をひとつひとつ読み解いていったんです。大川総裁が書かれた楽曲の歌詞は、シナリオの原案と対を成す映画の核の部分ですので。本番でも、それぞれの曲がかかるシーンでは、まず楽曲を聴いてから本番に臨むなど、常に音楽を意識して演じました」
もうひとつ、一条悟を演じる上で大きな力になったのは、昨年公開された映画「世界から希望が消えたなら。」の撮影で、主人公の御祖真(みおやまこと)を演じた竹内久顕さんの付き人を務めた経験だという。
「撮影前の準備段階から、レッスンで相手役を務めさせてもらったり、撮影中は毎日現場に同行して、竹内さんが大川総裁をモデルとした御祖真という役に取り組む姿を間近で見てきたんです。激務の中、教学をしたり、セリフを覚えたり、演技レッスンに通ったり。身を削って役に挑む姿勢や、純粋な信仰心には本当に感化されました。この経験がなかったら、絶対に今回の役はやれていなかったと思います」
続きは本誌でお読みいただけます
▶ 「自分が演じる意味」とは
▶ すべてをかけて臨んだ魔成道のシーン
▶ お役に立ちたいという思いは、どこにいても同じ